(3)公述人C氏(可児市)<プロジェクター使用、資料配布>
では最初にJRが発表した大萱地区の地上区間のルート図です。この部分は高架橋になっ ております。この部分が地表式又は掘割となっている箇所です。それで、正確ではございま せんが、私が大体想定した高架橋の通る場所を色で説明させていただきます。この写真は荒 川豊蔵資料館の前から墓地の方向を撮った写真です。墓地から15メートル地点の高架橋の想 定される位置が大体この位置にあたります。ですから豊蔵資料館から見るともろにこの部分 が見えるということです。続いて御嵩町側からの写真です。ここに県道土岐線がございます が、その間を高架橋がこういう形で横断します。JRの文書では高さが約 20 メートルとなっ ています。続いて県道付近から多治見側の想定される高架橋の真下から向こうに向かって撮 った写真です。この線は、ここに墓地がありましたけれども、こちらへ地表式又は掘割とな っている箇所を線で示したものです。この部分は一体どのように改変されるのであろうか、 大変心配しているところです。続いて御嵩町からトンネルの出口になったところですが、地 表式又は掘割となっている箇所で工事ヤードがここに作られる可能性がある場所です。
JRは地上区間とした理由を、準備書の説明会と事業者の見解でこのように述べています。 一つには、ウラン鉱床や住宅地化が進展している所を回避した。また、大萱地区が窪んだ地 形となっていること。二つ目には、大萱地区を地上区間とすることから、この付近のトンネ ル区間において自然流下の排水が可能だと言っています。それからもう一つは、ため池を回 避する。それから防災上、長大トンネルの前後には列車長 400 メートル程度以上の地上区間 を設置する必要がある。五つ目に、名古屋駅からの距離が 20 キロメートル延びて 55 キロメートルとなることから万が一の際に様々な問題が生じる。それから六つ目に、重金属が流出しやすい美濃帯の削岩残土の量を少なくする。
高架にしなければならない理由は絶対なのか。変更できないのか。私は、地上区間にでき ないJRの見解には絶対に同意できません。地上区間にしなければならない理由はJRの身 勝手な言い分だと、私は思っています。トンネル区間が 55 キロメートルになるとか、防災上 400 メートル程度以上の地上区間が必要だと述べているけれど、青函トンネルはご承知のよう に 53.8 キロメートルがトンネル、海底トンネルはそのうち約 22 キロメートルです。リニア の場合は約5km に1か所、非常口、斜坑などが作られることから、問題は生じないと思って おります。続いて美濃帯に含まれる重金属の処理方法は確立されていることから、地上区間 とする理由にはならないと、私は思っております。最後ですが、トンネルから自然流下の方 法でなくても、非常口などからの排水が可能であると、私は思っております。
続いて、文化財に関するJRの言い方は、「大萱古窯跡群といった埋蔵文化財をできる限り 回避するとともに改変区域や造成土量をできる限り小さくする。高架橋は有識者による景観 検討会を設置し、景観の創出と地域景観との調和の両立を目指した構造形式等の検討を行っ た。高架橋は、埋蔵文化財をまたぐようにすることから文化財に与える影響を配慮した。」。
私は、JRに対して地上区間を地下区間に変更を求める理由をこれから述べたいと思いま す。
まず最初に、岐阜県の文化財になっている大萱古窯跡群を取り巻く環境が大きく改変さ れる恐れがある。これは現在の大萱地域の状況です。先ほどもお話がございましたが、この 画面にある古窯跡群、ここに牟田洞という古窯跡。ここに4つの窯跡があります。ここに窯 下窯。これも4つあるそうです。ここに弥七田という窯跡がございます。この古窯群と、か つてここに窯があったと思われるところが3か所あります。画面全体で、先ほどもお話があ りましたように 13 軒の方がお住まいになっています。そのうちこの色で示された部分が、実 は陶芸家の皆さんが住んでおられる場所です。大萱地区を地上区間とした場合、限られた地 域に陶芸家が居住する自然豊かな里山集落で、県の指定史跡の大萱古窯跡群がある。このよ うな地域は全国的にも極めて珍しく、この集落の環境、景観が大きく改変されます。それか ら美濃焼の発祥の地で、安土桃山時代から志野焼に代表される国宝「卯花墻」は牟田洞窯で 焼かれた場所です。また、古窯本体や灰原だけでなく、住居や工房、作業場、搬出路などが 一体として構成されていることから、この付近の環境、景観が損なわれる。それから、もう 一つ大事なことは、牟田洞窯と窯下窯付近の景観が高架橋で分断されます。現在、可児市は、 牟田洞古窯の発掘と窯下古窯の発掘計画など大萱古窯跡群の国の史跡指定を目指して、国に 働きかけることにしていますが、これができることによって大きなマイナスの要因となる。 以上の理由から地上区間をとりやめて地下区間にすることを望むものです。
第二の理由は、高架橋などが建設されたら橋台の基礎工事、地表部分の切土による造成、 工事ヤード、久々利川に架けられる仮橋、工事用道路敷などによって現在の自然環境が破壊 され自然が回復するのに長い年月を要すると思います。地上区間とすることによる環境・景 観に与える影響は、高架橋の橋台の数、地表式又は掘割箇所への侵入ルート、工事ヤードの 説明がないため、準備書に記載されているものを参考にしてこれは試算したものです。ここ に工事車両運行ルートがございます。この林道とここの県道を使ったルートになっています。 全体として、この部分とこの部分が大きく改変される恐れがあるということです。続いて大 萱地区を地上区間とすることによって自然環境が破壊されると先ほども言いましたように、 戻るまでに長い時間を要すると思います。景観検討会で構造形式等の検討を行って建設して も約4ヘクタールの土地が改変されることに全く変わりはありません。高架橋や地表式又は 掘割箇所の詳細説明がないのに大萱地区を地上区間にする案を絶対認めることはできません。
リニア中央新幹線の大萱地区を地上区間とする件で、岐阜県に対して環境保全の観点から
意見を述べさせていただきます。
では最初にJRが発表した大萱地区の地上区間のルート図です。この部分は高架橋になっ ております。この部分が地表式又は掘割となっている箇所です。それで、正確ではございま せんが、私が大体想定した高架橋の通る場所を色で説明させていただきます。この写真は荒 川豊蔵資料館の前から墓地の方向を撮った写真です。墓地から15メートル地点の高架橋の想 定される位置が大体この位置にあたります。ですから豊蔵資料館から見るともろにこの部分 が見えるということです。続いて御嵩町側からの写真です。ここに県道土岐線がございます が、その間を高架橋がこういう形で横断します。JRの文書では高さが約 20 メートルとなっ ています。続いて県道付近から多治見側の想定される高架橋の真下から向こうに向かって撮 った写真です。この線は、ここに墓地がありましたけれども、こちらへ地表式又は掘割とな っている箇所を線で示したものです。この部分は一体どのように改変されるのであろうか、 大変心配しているところです。続いて御嵩町からトンネルの出口になったところですが、地 表式又は掘割となっている箇所で工事ヤードがここに作られる可能性がある場所です。
JRは地上区間とした理由を、準備書の説明会と事業者の見解でこのように述べています。 一つには、ウラン鉱床や住宅地化が進展している所を回避した。また、大萱地区が窪んだ地 形となっていること。二つ目には、大萱地区を地上区間とすることから、この付近のトンネ ル区間において自然流下の排水が可能だと言っています。それからもう一つは、ため池を回 避する。それから防災上、長大トンネルの前後には列車長 400 メートル程度以上の地上区間 を設置する必要がある。五つ目に、名古屋駅からの距離が 20 キロメートル延びて 55 キロメートルとなることから万が一の際に様々な問題が生じる。それから六つ目に、重金属が流出しやすい美濃帯の削岩残土の量を少なくする。
高架にしなければならない理由は絶対なのか。変更できないのか。私は、地上区間にでき ないJRの見解には絶対に同意できません。地上区間にしなければならない理由はJRの身 勝手な言い分だと、私は思っています。トンネル区間が 55 キロメートルになるとか、防災上 400 メートル程度以上の地上区間が必要だと述べているけれど、青函トンネルはご承知のよう に 53.8 キロメートルがトンネル、海底トンネルはそのうち約 22 キロメートルです。リニア の場合は約5km に1か所、非常口、斜坑などが作られることから、問題は生じないと思って おります。続いて美濃帯に含まれる重金属の処理方法は確立されていることから、地上区間 とする理由にはならないと、私は思っております。最後ですが、トンネルから自然流下の方 法でなくても、非常口などからの排水が可能であると、私は思っております。
続いて、文化財に関するJRの言い方は、「大萱古窯跡群といった埋蔵文化財をできる限り 回避するとともに改変区域や造成土量をできる限り小さくする。高架橋は有識者による景観 検討会を設置し、景観の創出と地域景観との調和の両立を目指した構造形式等の検討を行っ た。高架橋は、埋蔵文化財をまたぐようにすることから文化財に与える影響を配慮した。」。
私は、JRに対して地上区間を地下区間に変更を求める理由をこれから述べたいと思いま す。
まず最初に、岐阜県の文化財になっている大萱古窯跡群を取り巻く環境が大きく改変さ れる恐れがある。これは現在の大萱地域の状況です。先ほどもお話がございましたが、この 画面にある古窯跡群、ここに牟田洞という古窯跡。ここに4つの窯跡があります。ここに窯 下窯。これも4つあるそうです。ここに弥七田という窯跡がございます。この古窯群と、か つてここに窯があったと思われるところが3か所あります。画面全体で、先ほどもお話があ りましたように 13 軒の方がお住まいになっています。そのうちこの色で示された部分が、実 は陶芸家の皆さんが住んでおられる場所です。大萱地区を地上区間とした場合、限られた地 域に陶芸家が居住する自然豊かな里山集落で、県の指定史跡の大萱古窯跡群がある。このよ うな地域は全国的にも極めて珍しく、この集落の環境、景観が大きく改変されます。それか ら美濃焼の発祥の地で、安土桃山時代から志野焼に代表される国宝「卯花墻」は牟田洞窯で 焼かれた場所です。また、古窯本体や灰原だけでなく、住居や工房、作業場、搬出路などが 一体として構成されていることから、この付近の環境、景観が損なわれる。それから、もう 一つ大事なことは、牟田洞窯と窯下窯付近の景観が高架橋で分断されます。現在、可児市は、 牟田洞古窯の発掘と窯下古窯の発掘計画など大萱古窯跡群の国の史跡指定を目指して、国に 働きかけることにしていますが、これができることによって大きなマイナスの要因となる。 以上の理由から地上区間をとりやめて地下区間にすることを望むものです。
第二の理由は、高架橋などが建設されたら橋台の基礎工事、地表部分の切土による造成、 工事ヤード、久々利川に架けられる仮橋、工事用道路敷などによって現在の自然環境が破壊 され自然が回復するのに長い年月を要すると思います。地上区間とすることによる環境・景 観に与える影響は、高架橋の橋台の数、地表式又は掘割箇所への侵入ルート、工事ヤードの 説明がないため、準備書に記載されているものを参考にしてこれは試算したものです。ここ に工事車両運行ルートがございます。この林道とここの県道を使ったルートになっています。 全体として、この部分とこの部分が大きく改変される恐れがあるということです。続いて大 萱地区を地上区間とすることによって自然環境が破壊されると先ほども言いましたように、 戻るまでに長い時間を要すると思います。景観検討会で構造形式等の検討を行って建設して も約4ヘクタールの土地が改変されることに全く変わりはありません。高架橋や地表式又は 掘割箇所の詳細説明がないのに大萱地区を地上区間にする案を絶対認めることはできません。
発言の最後になりますが、大萱地区を地上区間とした場合、工事及び高架橋に伴う自然環境の破壊、農業用水の水源である久々利川の汚濁、土砂堆積など大萱地区はもとより久々利の住民にとってもマイナスの要因だけだと、私は思っています。最後になりますけれども、
この計画が発表されたときにJRの社長が大萱地区の高架橋は仕方がない、地下へ潜ること
は大変難しいとの表現を記者会見で発表されました。もしそのようなことを言って通ってい
くのならば、私はこの計画に断固反対するものです。これをもって発言を終わらせていただ
きます。
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