2015年1月19日月曜日

リニアに関する可児市民の意見(2014年1月9日に行われた公聴会の公述)その1

2014年1月9日に、可児市総合会館で行われた岐阜県公聴会で、可児市民が行った公述(意見)を順次掲載していきます。


公述人の陳述の要旨
(1)公述人A氏(可児市)<プロジェクター使用>
    JRが大森地区に計画している非常口につきまして、公述人として意見を述べさせていた
   だきます。JRがリニア中央新幹線の非常口を、計画予定地の一つとして大森地区に建設し
   ようとしていることに対して、私は建設反対の意見を述べ、非常口は住民の生活に悪影響が
   及ばない場所に移動するよう強く要望します。
この反対の理由は二つあります。まず、今地図に出ていますけれど、非常口周辺の地図と、 後程出ますけれどもJRが作った建屋のイメージ写真がございます。まず地図の方を見てく ださい。反対の理由の一つとしまして、非常口に建設される換気施設の位置、ここが非常口 でございます。ついでに言っておきますが、ここが長洞ため池、ここが星見が丘でございま す。この距離を今から言いますが、ここに民間の家が2軒ほどございます。非常口に建設さ れる換気施設の位置と民家や住宅団地とが非常に近接していること。二つ目の理由は同じ場 所にある長洞ため池は、工事の進行によってそれぞれ入り口が互いに輻湊していることにな り、ため池の機能が損なわれる恐れがあるということが主な理由であります。ため池の件は 後で話をさせていただきます。
まず非常口の計画予定地と住宅とが非常に近接していることについて、JRはこの距離を 200 メートルと言っておりますが、そんなに離れてはいません。実際は 150 メートル前後と思 われます。そしてこの中間にある民家とは 5060 メートルしか離れていないのでございます。 イメージ写真にある建物でございますが、下がイメージ写真、この白い建物があくまでJR が計画している大きさのものでございます。上が現在の風景でございます。JRはまだ発表 していませんけれど、この建物の大きさにつきましては、推定で高さ 20 数メートル、幅は 40 メートルと大きな建物が予測されます。JRは正確な建設場所も示していませんけれど、工 事施工ヤードの面積は1ヘクタールを基準としておりますが、そのような土地はここで確保 することができません。狭い所です。当然ながら、不足分は山を削ることになってくること になります。こういう場所で実際工事が始まれば、それはもう景観どころではないと思いま す。遮蔽壁や建物から来る圧迫感と通気性の問題、そして今後建設機械の稼働による騒音と 振動、さらにトンネルの掘削土の運搬車両の騒音と粉じんの問題など。これに対してJRは いずれもデータも基準値を下回っており、実行可能な目標範囲の中で低減が図られていると して問題はないと評価しています。果たしてそれで良いのでしょうか。何よりも5年、6年 という長期にわたる工事の間、疑念を持たざるをえない環境の中で住民は置かれているので あります。本線の掘削の発生土も行き先がなければ野積みされることになります。私どもは リニア中央新幹線について反対しているのではありません。このような環境破壊につながる ような状況下に住民を置くこと自体が到底理解されないと言っているのであります。
次に近接する長洞ため池について意見を述べます。非常口は計画どおりの場所でやってい くことになりますと、JRはため池の周辺の工事施工ヤードの設置のため、土地の切土や盛 土などの造成、そして作業坑道の設置などに取り掛かることになりますが、先ほど言いまし たように常識的に言えば、このような狭い場所でため池の管理入口と非常口の出入口が相互 に入り込むことになって、ため池の機能を損ない管理業務を非常に難しくすることになりま す。大森土地改良管理組合では、ため池の底抜けの心配を含め、今後の維持管理と運用面で 大きな問題だと指摘しています。もう一つ非常に心配する点は、本線のトンネルから、掘削 土が非常口から大量に運び出されるわけでありますが、その掘削土の中に、黄鉄鉱が混ざっ ているような懸念はないかどうか。もしその中に黄鉄鉱等の物が混ざっているということに なれば、それらが野積みされれば雨によって流出する危険性もあり、ため池はもちろん、大 森川まで汚染されることになります。このような事態になれば大変なことになります。この 先々の禍根を残さないためにもしっかりとした調査も必要であります。
以上、縷々申し上げましたが、JRがなぜこのような問題ある狭い土地を非常口、換気施 設の設置場所として選んだかについては、標高が低く、比較的平地な場所にすることによっ て、トンネル本線まで斜坑が短くでき、結論的には建設コストが低く抑えられるという第一 の効果があると考えられます。私どもは計画予定地の立地条件や住民の方々の将来への懸念 材料を考え合わせると、他にも有効な場所があるにも関わらず、ここでなければならないと いう必然性はどうしても確認できないのであります。近接する星見台団地は近年、名古屋近 郊を始めとする各地域から豊かな緑と平穏な土地を求めて、若い人が住み着いた、いわば新 興住宅地であります。ようやくつかんだ彼らの夢をこういう計画によって壊さないでほしい。 私どもはただ今申し上げた諸々の理由により、JRのリニア非常口の現計画予定地を見直す べきであり、非常口はもう少し多治見寄りにずらすよう要求します。JRは地域の環境アセ スに最大限考慮するなど、地域の特性に応じた検討がさらに必要であると考えます。
最後になりますが、可児市の住宅地における地下トンネルの土被りについて意見を申し上 げます。可児市の丘陵地域では地形や地盤の起伏の差が大きくなっているところがあります が、こういう場所にも民家が点在しています。地下トンネルの土被りはトンネル上部の地表 が最も標高の低い、こうした場所においても最低 45 メートル以上の土被りを確保するよう要 望いたします。以上をもちまして、公聴会の私の公述を終わります。 

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