2014年12月29日月曜日

リニア 南アルプスからどうやって下山するのかな(ブログ南アルプスに穴をあけちゃっていいのかい から)

大地震。南アルプスからどうやって「下山」させるのかな?2013/9/2(月) 

昭和57年8月1日午後、台風10号が愛知県中部に上陸。本州を縦断して日本海へ抜けました。この台風、マーシャル諸島東方で発生して西よりに進み、小笠原西方で北向きに進路を変え、そのまま本州中部を縦断するという、若干変わった進路をとりました。
台風がまっすぐ北上する場合、その東側ではずっと南よりの湿った風が吹き続け、降水が長時間に及び、雨量が多くなります。
この台風の場合、愛知に上陸したため、その東側の山地すなわち南アルプス一帯や関東山地では降水量が多くなり、さらに台風通過後に低気圧が日本海を通過し、3日にかけて大雨が続きました。8月1日から3日にかけての降水量は、静岡県井川で850㎜、静岡県本川根742㎜、山梨県八町山で418㎜などとなっています。この大雨により、様々な被害が出ました。南アルプスでも多数の登山客がとり残されると言う事態にいたりました。
以下、当時の静岡新聞記事より。
大雨で大井川が増水し、8月1日未明、畑薙大橋が流されました。
この橋は、静岡県側から大井川源流部(南アルプス南部)に通ずる、唯一の自動車道です。また、山梨県側から大井川源流部にいたる登山道も崩落してしまいました。
このため、大井川源流部は孤立し、数百人の登山客がとり残されてしまいました。
一帯の山林と山小屋を所有するのは東海フォレストという会社。この東海フォレストの所有する二軒小屋から静岡市に救助要請が入ったのは、台風通過後の3日午前。当初は「200人が孤立」という情報だったようです。この時点で各山小屋の食料は1~3日分であることが判明。市から県に情報が伝えられ、県は自衛隊に救助を要請。また、この日の午後に約50人が自力で下山。
天候の安定した4日午前、県と自衛隊のヘリコプター計4機が出動。ラーメンや乾パンなどの食料2日分を空輸するとともに、登山客を搬送。また、静岡市北部の山間部集落が孤立していることも判明し、そちらへも食料空輸を開始。
5日には自衛隊のヘリコプターがさらに投入され、計8機による救助活動が行われ、この日のうちに全員を静岡市街地にまで搬送する。結局、合計564人の登山客を救助。
なお、一連の救助期間中に、ヘリ発着場となった登山基地への移動中にけが人1名、川に転落2名(うち1人は行方不明)という人的被害も出たそうです。

◇   ◇   ◇   ◇   ◇
さて、リニア中央新幹線は「南海トラフ大地震への備え」という位置づけにされているようです。
そのリニアの南アルプス横断長大トンネル群は、長さがおおよそ52㎞あります。一番長い中央のトンネルは約23㎞になるとみられます。ほぼ中央にあたる二軒小屋に、長さ数㎞の斜坑(工事短縮用の地上との連絡トンネル)が設けられます。

イメージ 1

「南海トラフ大地震への備え」という位置付けらしいので、大地震発生時を想像してみます。
地震発生直後、沿岸の地震計が揺れを感知すると、気象庁の緊急地震速報と同じシステムで走行中のリニア車両に緊急ブレーキがかかります。
全列車がいっせい停止すれば、運行本数(片側1時間6本)からみて、かならず1列車は南アルプス地下のどこかに停止します。上下線2本が停止するかもしれません。
すると乗客は、トンネル内を最長11~12㎞も歩いて出口に向かわねばなりません(もっともトンネル自体が無事という前提ですが)。確率は低いでしょうが、片方の坑口が崩落した場合には、20㎞以上を歩かざるを得ない場合も想定されます
まず、このトンネル内での徒歩避難が無事に行えるかという疑問があります。リニアの定員は1編成あたり950人ほどですが、食料・水もなく、外部からの救助も届かず、さらに余震が頻発する中、それだけの大人数が十数キロも歩いて無事に出口まで歩けるのでしょうか?
また、停止位置や坑口付近の土砂災害によっては、先に述べた二軒小屋斜坑からの脱出を余儀なくされるかもしれません。JR東海自身、この二軒小屋斜坑は避難口として整備する方針だそうです。
この地上への避難だけで、最低丸1日はかかります。
出口に出てきても、そこは南アルプスの山奥です。それからどうやって”下山”させるのでしょうか?
青函トンネルや大清水トンネルのように、トンネル出口にバスを横付けすることはできません
こちらの国交省のページに、東日本大震災における、東北新幹線での乗客避難誘導の状況がまとめられています。
PDFファイルで2.4MBありますが、参考になるのでぜひご覧になっていただきたい。
地震発生時に営業運転中だった列車は13本、そのうち6本がトンネル内に停止しています。食料の供給は12時間以内に行われ、全員の避難所等への移動は24時間以内に終了しています。
南アルプスの場合、これは絶対に不可能です。
トンネル出入り口に通ずる道路は、いずれも深く険しい谷につけられています。大型車両の通行が困難なだけでなく、大地震直後にはこの道を使えなくなる可能性が高い。
となると、誰しもヘリコプターでの救助を真っ先に考えます。
先に述べた31年前の台風の場合、南アルプスで救助された人数は564人で、ヘリコプター4~8機を用いて、救助そのものは2日で終了しています。
これを考えると、10機くらい投入すれば、同様に2日ほどで救助が終わりそうに見えます。
しかしながら、これは「平時」の場合です。
「大地震の直後」という場面を想像してみると…。
警察・消防・自治体・自衛隊といった公的機関のヘリコプターがまず先に行わねばならないのは…
常識的に考えて
状況把握
迅速な救助
けが人の広域搬送
消火活動
といったところでしょう。
台風での事例の場合、静岡県内の南アルプス以外の地域でヘリコプターが救援に使われたのは、静岡市山間部の1集落だけです。しかし南海トラフの大地震の場合、都市で火災が多発することが予想され、伊豆半島、紀伊半島、四国南部など津波の被害を受けやすい地域もたくさんありますし、山村で孤立する集落も続出するはずです。
静岡・山梨・長野のみならず全国からヘリコプターが大量投入されるでしょうが、震災直後は、いくらあっても足りないぐらいでしょう。
果たしてリニアの乗客を救助しに行く余裕があるのか?
あったとして優先度はどれくらいか?

ヘリコプターでの救助を想定するのなら、数日後になるケースを想定しておくべきではないかと思います。
しかし「数日間」山奥に孤立するとなると…
台風での事例の場合、夏場であったという条件を忘れてはなりません。夏場だったからこそ、山小屋が営業していて数日分の食料があり、燃料があったわけです。南アルプスという場所柄、登山客もそれなりの装備をしていたはずです。だから、ヘリコプターが向かうまで2日間は孤立していても無事だった。夏場ゆえ、台風通過後には天候も安定し、救助活動は迅速に行えたわけです。
これが冬や春だったら…山小屋は閉鎖されてますから、トンネルから脱出した950人の食料はありません。氷点下10度以下の世界ですが、乗客は普段着であり、自分で薪でも集めない限り、暖を取ることもできない。
さらに3000m峰に囲まれているため、天候の安定しない冬や春先には乱気流が起こり、梅雨時は霧に覆われ、ヘリコプターも近寄りがたい…。
どうするつもりなのでしょう?

ヘリコプターを当てにできない場合には、地上から救助隊を編成して救助に行かねばならないわけですが、すぐに駆けつけることが可能なのでしょうか?
飯田や甲府の駅に何人のJR東海社員がいて、そのうち何人が南アルプス山奥に孤立した乗客の救助に振り分けられ、どのくらいの時間でトンネルまでたどり着けるのか…?
応急的な道路の復旧、歩道の確保、あるいはザイルの使い方、渡渉技術、けが人・急病人の応急手当など、特殊な技術も必要かと…。
シロウト考えですが、南アルプスからの避難は、JR東海自社による乗客避難誘導の限界を超えてるんじゃないかと思います。
「避難の困難な鉄道路線」
それは社会全般から見て「災害リスク」と言うのじゃないのかな?
「そんな悪い方向ばかりに考えるな」という考えをお持ちの方もおられるかもしれません。
しかし、「南海トラフ大地震への備え」という位置づけである以上は大地震を想定しなければならない。
さらには、乗客の避難誘導という観点からでは、現行の東海道新幹線のほうがはるかに優位・安全であると思われます。線路はどこも人々の生活圏内ですし、長大トンネル-日本坂トンネル、興津トンネル、由比トンネル、新丹那トンネルなど-にしても、出口から10分も歩けば幹線道路にたどり着く…。このような視点で物事を考えずして、何が「南海トラフ大地震への備え」なのだろうと思うのであります。

2014年12月27日土曜日

桜ヶ丘公民館でのリニア説明会質疑部分の反訳(2)

可児市桜ヶ丘公民館でのリニア事業説明会の質疑部分反訳(その2)      

質問
● 先ほどのJRの女性の方の説明の中で、関係自治体と調整し、地元住民の皆様に、御説明させて頂くということが3、4回お話しされたんですが、そもそもこのリニアの路線ルートというものは、市街地や、人口密集地、大型住宅団地を避けるというものだと思うんですが、ここはまさに大型団地であり、お住まいになってる方も多いのにも関わらず、地元住民の同意を得ていないですね、それは何故でしょうか。
  自治体に説明はしたかも知れませんが、地元のみなさんは同意をしていないと思います。そういった基本的な条件に当てはまっていないところですので、地元住民の同意は必要かと思うんですが、同意をせずにJRは、自治体とお話しし、住民は情報を少しだけ広報かなんかで聞いているだけなんですが、住民の方が同意をしているわけじゃないですので、路線ルートに納得されてない方が多いかと思うので、そのあたりをまずご説明下さい。

● それではただいまの御質問に回答いたします。

  ルートの設定までの流れということで、今一度ちょっとご説明させていただきたいと思います。
  まずですね、我々といたしましては、全国新幹線鉄道整備法というものに基づいて手続きを進めているところでございます。あの、過去にさかのぼりますが、ずっとリニアについて調査をしていてですね、平成22年に諮問、それから23年に答申を受けてですね、交通政策審議会というところで議論していただいてですね、最終的に、JR東海が営業主体であるとか建設主体に適したところであるというところで進んでおります。そういった中で、まず建設の指示を受けてですね、我々まあ環境に配慮するという観点から、環境影響評価法にもとづいて、アセスといわれておりますが、環境影響評価法にもとづいてさせていただいております。
 その中でですね、この方法書の段階で、まずは、ここの、先ほどちょっと説明させて頂いた技術的特性であったりとか、地形、地質の特性、環境の特性といったものから、3キロ幅というものをお示しさせて頂きました。その中で、さらに絞り込みをしていってですね、昨年の9月の段階でですね、準備書というところで、ルートを示させていただいております。。
 これに関してはですね、地元の方のというところで、まあ、沿線のひとひとりの方にですね、ご了承を得てという手続きではございません。これは先ほど言った各種特性からいって、弊社としてこれしか成り立たないといったルートをこのタイミングで全線の方達に出してお示しをさせていただきました。それからですね、このルートにおいてどういった諸問題があるのか、どういったことをしていかなきゃいけなのかというところで、しっかりと関係の自治体であったりとか、それから、地権者のみなさまにしっかりとご了承、ご了解を得ながら、進めていきたいというふうに考えております。あの先ほどの説明で、「今後工事を進めて行く」といったなかで、しっかりと調整をさせていただくということを考えております。
 
次の方のご質問をお受け致します

質問
● あのね、質問じゃないんですよ。意見申し上げたいんですがね.今の女性の質問に対して、回答になってませんわな。ね、誰がOKしたんですか。それからあなたの最後のお話の中で、これから進めて行くとなると、まずルートそのものがまだ決定してないという具合に理解してよろしいんですか。

 それが一点とね、あの、初めのところの質問で、大萱の問題がありますね。あれはウラン鉱の土壌を処分できないからあそこで、避けたわけですね。そういう具合に聞いとるんですがね。
 それから、ほかの地区にもウラン鉱転がってるわけなんですよね。だからあそこだけやっても解決にならんわけですな。だから久々利については、全部地下にするか、あるいはね、中津川駅をやめるか、そうすると、名古屋へ直行しますわな、ルートが決まってなかったら考えてくださいよ。以上です。

● それではただいまのご意見ご質問に対しまして回答させて頂きます。

  あのルートに関しては、今お示ししているルートで、工事実施計画の認可もいただいておりますので、ルートは決定しております。
 大萱のウランが出るから地上なんじゃないかというようなところで、あの確かに美濃帯という土壌がありますので、その度量を減らしたいというところはありますけれども、第一の目的というか、に関しては、さきほど説明した、火災時にはなるべく早く地上に出したいといった安全面、防災面の観点から、あそこを地上にさせていただいてるというところが、第一の理由でございます。あのどこでどういうふうにお聞きなられたのか、ちょっとわかりませんけれども、 あのまったく否定するわけではございませんが、そういった理由が一番目にきております。

● 補足をさせていただきます。
  ルートは決定してないんだなということでは御座いません、ルートは決定おります。こちらで示さしていただきましたけれども、岐阜県内は、こういったルートで中央新幹線をつくらせていただくということで考えております。「今後ご説明」と言いましたのは、地権者、土地を売っていただかなければいけない皆様を中心にですね、まあ、地域の方もそうですけれども、先ずは土地を売っていただかなければ我々工事出来ませんので、そういった前段として測量をさしていただきます。それから、中央新幹線で必要な用地が確定いたしましたら、土地を売っていただきます。
 そういったおのおののタイミングで、中央新幹線の必要性ですとか、こういったものを丁寧にご説明をして、ご了解いただいたところから、土地を売っていただきたい、まあ、そういう手順で進めていきたいと考えております。
  それから大萱について、まあ、大萱といいますのは、この部分になりますが、これはいまご質問者さまがおっしゃったウランと言いますか、有害物質を含んだ自然由来重金属と言っておりますけれども、この付近ご存知のとおり東海環状自動車道のトンネル工事で、まあ、そういったものが、水に溶けて流れ出て、河川に大きな被害が出たということは、私どもも承知しております。そういう美濃帯というものを避けたというものも御質問者さまのおっしゃるとおり、それも要因の一つでございますが、それだけで大萱が地上になったというわけではございません。さきほど私ども、ご説明いたしましたけれども、なるべく早く地上に顔を出して万が一のときの避難にも使いたいといったこともございますし、いま、おっしゃった美濃帯、ウランとおっしゃいましたけども、美濃帯の問題もございます。
 それから、あそこだけちょっと窪んでますので、そういった面であそこがたまたま地上と言いますか、あそこを地上にさせて頂いたと、それから、なぜ、じゃあ平面的にそこになったの か、ずらせばいいじゃないかといったご意見もあろうかと思いますが、そこにつきましたは、たとえばここの場所の平面的な位置関係、なぜここになったのかというご説明をさしていただきますれば、まあ、こういった自然公園ですとか、ちようど瑞浪ですね、瑞浪はウラン鉱床というものがございます。わたくしども、このウラン鉱床というものを色々調べまして、そのものズバリのウラン鉱床は避けました。
 避けた関係で、平面的な位置がこの辺りと決まってしまいました。それから東側ですね。で、西側につきましては、多治見市、それから可児市の住宅密集地、あの完全に避けることはできませんけれども、極力避けると、最大限避ける努力をしたということで西側が決まってまいりました。それらを、リニア中央新幹線という高速性と、あの自動車とはちょっと違いまして、なかなか急には曲がれませんもんですから、それで、スムーズに走れるようにというルートを引くといった結果、まあ大萱地区を通らさしていただきたいということなったということでございます。まあいろいろはしょってご説明させて頂きましたけれどもこのルート選定においては、そういう自然条件ですとか、ウランの問題、それから美濃帯の問題も、そういった地質の関係、それから生活環境、まあ.住宅密集地を避ける、まあ、いろんな要素を勘案して最終的にこのルートにさして頂いて、このルートで工事のほうはさしていただきたいと、で、今後は、やっとこれでルートが決まりましたので、測量さしていただいて、ルートの正確な位置を出さしていただいて、地権者さまを中心としたですね、方に土地を譲っていただくという具合いに今後さしていただきたい、今日は、工事実施計画の認可を正式に受けましたので、それを受けての事業説明会と、今後用地の説明ですとか、それから最終的には、工事の説明という流れで、何回か地元の方にご説明をさして頂くことになろうかと思いますけれども、その際にもいろんなご質問にお答えさして頂きたいと考えております。是非御協力頂きたいと考えておりますので、よろしくお願い致します。

● 次の方ご質問をお受け致します。
 
 質問
● 皐が丘の◯◯です。まず最初にですね、人間の便利さを追求して、こんな大きな自然破壊をしていいものかどうか、ほんとに胸が痛い思いでおります。
 三つ質問があります。まず最初ですね、先ほどの直線で住宅地を避けるということですが、もう少しさっきの地図を拡大してみますとですね、ちょうどこの辺りだけ急に曲がってるんですね。それで以前にみた資料によりますと、多治見市の住宅地を避けるためというようなことが書いてあったんです。先程来聞いていると、例えば80メートル以下のところを走るんだったらですね、安全だということですので、どうして住宅地を避ける必要があるかということですね。原発と同じだと思うんですね。原発は、安全、安全といい、じゃあほんとに都市部につくったかというと、都市部につくらなくて田舎に作ると、それと同じじゃないかという論理じゃあないかという気がするんですよ。それから、工事の騒音、振動です。ここの10ページを見ますと、騒音最大がですね、80db, 振動最大が70dbになってます。それよりすこし下の部分の、騒音の目安というところをみますとですね、80dbというのはもう地下鉄の車内の騒音のレベルですよ。多分ここらあたいですと、第一種住宅地ですので、かなり騒音のレベルが低いと、40か50、そのあたりじゃないかと思うんです。これがまあ短期的な工事ならいいんです
 けれど、こういう工事がずっとつづくわけですよね。このあたりというのは、ほんとに静粛な住宅地を脅かすことになるのかなと思うんですけど、そういう心配が二つ目です。それから最後、残土処理についてですね、どういう処理になって、どっから土を出して、どこへ持って行くかということですね、その辺りをどういうふうになるかということを聞きたいと思います。

● それではただいまのご質問につきまして回答いたします。

  三つ質問いただきましたので、順次ご説明いたします。

  まあ、安全ならば避ける必要はないんじゃないかと、言われてしまえばそうなのかも知れませんが、やはり、そうは申しましても、なるべく、すべてを避けるということは、さきほどのご質問者さまでも回答さしていただきましたが、すべてを避けることはこれは無理だと考えておりますが、まあ極力、地下にあっても極力避けるという方針で、計画を進めさしていただいた結果が先ほどちょっと説明さしていただきましたルートということでございます。あの、それに尽きるかなというふうに考えております。
 それから二番目の工事中の騒音、振動ということでございますが、こちらが環境影響評価のほうでも、評価書のほうでも出さしていただきましたけれども、まあ予測値のレベルということで騒音と振動と、で、この付近ので申しますと、県道の83号、これ、大森新田の辺りを通る県道でございますが、工事中の騒音からまずご説明いたしますと、現状が68と、で、予測がプラス1・2の69とこういう予測をしております。それから振動については、現状が30、それがプラスの2・7で33、いずれも基準値を下回っているというのが、これ環境影響評価の予測結果ということになっております。こちらはこの辺りを通るという前提のもとに、どれくらいの影響が出てくるのかと、いうものを予測をしたものということでございます。こちらは、 あの環境影響評価書のほうにも記載をさして頂いてるということで、ご当地、まあ桜ヶ丘ハイツの住宅地の中を通るかどうかというのは、決まっておりませんけれども、極力こういった静かな住宅地を避けて、工事のほうの施行を計画をしていきたいとかんがえております。それから三つ目の残土処理との関連する話しでございますけれども、こちらが、可児発生掘削トンネル工法とですね、それから発生する土量ということで、こちらが御嵩町になります。ご当地、現在この付近で申しますと、大森新田の交差点の南側で、非常口をつくる計画をしてございます。で、工事期間中は、そこを発信基地といたしまして、したがいましてこのあたりから掘っていきまして、多治見市側にも掘ってまいります。それからもう一つは、久々利のほうからも掘ると、いう計画を現在わたしども計画をしております。で、この付近ですと、従いましてこの大森交差点の南のあたりからトンネルの掘削した後の発生土が出ることを考えております。どこを通るのかということにつきましては、まだ現在、発生土の活用先が決まっておりませんので、どこを通るかというものは、決まったものはございません。現在私どものほうで検討しておりますので、今後決めていって、決めてから、工事の運搬ルートを、発生する土砂の運搬ルートというもんが決まってまいります。当然そういった際にはですね、生活環境、なるべく影響が小さいルートを選んで運搬ルートを決めて行きたいと考えております。こういったものはまだ決まっておりません、工事までには当然決めて、工事計画といものを詰めて参ります。そういった段階でまた関係する沿線のみなさま、まあ、どこまでやるかというのも含めて私どものほうで考えて、御説明をさせていただきたいと思っております。当然皆様の生活道路を通るような場合は、ご説明をさしていただきますが、まず、大前提として住宅地の真ん中を通るようなことがないような計画をしていきたいというふうに考えおります。  (3)に続く   1時間32分50秒時点

                                         


 

リニア着工へ 住民の異議申し立ては届かないのか(週プレニュース2014年11月24日より)

リニアがついに着工へ…住民たちの異議申し立ては届かないのか!

[2014年11月24日]
       
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リニア中央新幹線。実験センターにて
民意を軽視したJR東海のリニア中央新幹線(以下、リニア)計画を止めたい――。そんな思いから、東京や愛知の1都6県で活動する市民団体が、計画を事業認可した国土交通省に「異議申立書」を提出するための署名活動を開始した。
2027年に東京都のJR品川駅から愛知県の名古屋駅までを40分で結ぶとされるリニア。先月17日に国交省が事業認可したことで、着工はもはや確実となっている。
法的手続きとして、JR東海は12月8日までに計画沿線各地で51回の事業説明会を開催。その後の工事説明会や測量などを経て、来秋にはトンネル掘削など具体的工事に入りたいと表明している。
リニアが走る1都6県(東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知)では、計画に異を唱える10の市民団体が活動しているが、その連絡網「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」の共同代表である川村晃生氏(慶応大学名誉教授)は計画に加え、推進のされ方自体、強い憤りを覚えるという。
「JR東海は私たちの意見や質問にほとんど耳を傾けない。ただの一度の公開討論会もなく、法的な手続きをセレモニー的に進め、もう工事に入ろうとしている。事業認可はされましたが、ここで今一度、『間違っている』との民意を国にぶつけたい」
世界の鉄道史上最大となる建設費9兆円という超大型事業。うち第一期工事となる品川・名古屋は約5兆4千億円(第二期は名古屋・大阪)だが、07年にJR東海が自費でリニアを建設すると発表して以来、沿線上の住民は計画への期待と不安に包まれている。
期待とは、10年以上に及ぶ建設工事でもたらされる活況とリニア走行がもたらすであろう経済効果だ。一方、不安は実に多岐にわたる。
全線286キロのうち86%にあたる246キロがトンネル走行なので、それにより発生する約6千万立方メートル(東京ドーム50個分以上)もの膨大な残土。連続するトンネル工事で誘発される川や沢の水枯れ。従来の新幹線の3倍以上ともされる電力消費から発生する電磁波の人体への影響。
さらには、1日1千台以上ものダンプやトラックが走行することでの騒音、振動、排気ガスの問題。史上初めて、南アルプスに長大なトンネルが開けられることでの自然破壊。立ち退かされる数百世帯もの人々の生活――。
これらに国とJR東海はどう向き合ってきたのか?
10年から国交省に付属する交通政策審議会がリニア計画の是非を有識者で検討。この時、一般住民からのパブリックコメントを募集したが、集まった888件の多くが計画に反対、もしくは慎重な意見だった。賛成意見はわずかに16件。
ところが11年5月、「反対意見は審議会の答申に影響を与えるものではない」との理由で計画を認める答申が出される。これにより、JR東海は1都6県の関係自治体で計画の縦覧と住民説明会に入った。
11年の「環境影響評価方法書」(おおよその事業計画と環境アセスの方針を示した報告書。以下、方法書)、そして13年の「環境影響準備書」(具体的な事業計画と環境アセスの結果を示した報告書。以下、準備書)の説明会に記者も何度か参加したが、お世辞にも及第点とはいえない内容であった。
市民団体「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会」の天野捷一代表はこう振り返る。
「一方的な説明会です。具体的に言えば、質問はひとり3問までに制限され、しかもそれを一度に言わなければならない。回答を聞いて、ではと再質問しようと思ってもマイクはもう戻ってこないんです。そして、質問の手がまだ多く挙がっていてもピタリと閉会宣言。資料として投影される映像もメモしきれないのに撮影禁止。理解なんて無理ですよ。それでいて、住民には丁寧に説明したと自己評価してるんですから」
11年の説明会は各地で58回開催されたが、どこに尋ねても同様だったようだ。
「僕たちは、具体的なルートや残土の処理方法を知りたかった。沿線に数十ヵ所建設される資材搬入口と運行時の脱出口を兼ねた『非常口』も、直径30メートルある巨大施設なのにどこに建設されるのかすらわからない。
そのうえ、『具体的なことは13年の準備書説明会でお示しします』と言いながら、13年には『国から事業認可を受けた後の事業説明会や工事説明会でお示しします』と言葉を変えた。いつまでたっても情報が出てこないんです」
11年の方法書説明会でもJR東海はパブコメを募集したが、集まった1024件のうち9割以上が計画に反対。本来ならば、これらの意見を準備書に反映させねばならないはずが、2年間待った市民団体は驚いたという。13年の準備書がほぼ同じ内容だったからだ。
たとえば、約6千万m3もの建設残土の8割以上が処分先不明で、工事による水質汚濁や水位低下については1都6県のどこでも判を押したように「影響は少ない」と書かれているだけ…。
そこで、僅かながら具体的に明かされた予測もあったが、それを見て今度は各自治体が慌てた。「こんな計画だったのか!?」と。
長野県大鹿村では残土や資材を運ぶ大型車両が一日最大で1736台、狭い山道や保育園の脇を通る。1分に3台以上だ。騒音、振動、排気ガス、泥はね、土埃…これが朝から晩まで12年間も続くのだ。
静岡県ではトンネル工事で大井川が毎秒最大2トン減少する。これは大井川だけを水源とする下流の7市63万人の水利権量とまったく同じだ。また、膨大な残土をその源流部の河原や標高2千メートルの稜線に置くことも明らかにされていた。
さすがに、そこで各地の市町村長も「環境保全ができないなら工事は回避すべき」と懸念を表明。もちろん、根拠のない懸念ではない。97年から実験走行が続いている山梨県のリニア実験線周辺では、無数の沢と川の水枯れが起きており、排出された膨大な残土は谷を埋めたてただけで、なんの跡地利用も始まっていないのだ。
前出の天野代表は、期待半分でJR東海が「民意」に加え、これら「官意」をどう計画に反映するかを見守った。だが――、
「結局、最終計画にはいずれも反映されず、それなのに国はゴーサインを出した。こんな杜撰(ずさん)なアセスが許されるのなら、これからどんな公共事業でも許される。冗談ではないと思いました」
各地の市民団体が甲府市の実験センターに集結し異議を訴える
各地の市民団体が甲府市の実験センターに集結し異議を訴える
異議申し立ては省庁がなんらかの判断を示してから60日以内に提出されなければならない。つまり、今回の期限は12月16日。そのため、各市民団体は12月5日を締め切りに設定し賛同者を集めている。
「僕たちは今まで署名活動、国土交通省との交渉、JR東海との直接交渉要求、市民集会、国会議員を招いての院内集会など考えられる限りのことをやってきました。でも、結局はJR東海の杜撰な環境アセスを認め、国は事業認可してしまった。これに対して『沿線住民は納得していない』との意思を突きつけたいんです」(天野代表)
実は、市民団体が見据えているのは来年以降である。異議申立書を提出しても、それでリニア計画が覆ることはない。そのため、署名活動をしながら然るべき時期に行政訴訟を起こすための準備もする…という戦略だ。
「JR東海は、これまで具体的な計画内容の言及を避けてきた。『影響が少ない』という根拠もいまだに示されません。裁判では、さすがにそれらの証拠物件を開示しなければなりませんから、そういう事実のやりとりでも世論を喚起したいのです」(前出・川村教授)
(取材・文・撮影/樫田秀樹)

リニアの着工予定路線図
リニアの着工予定路線図


2014年12月26日金曜日

リニア用地買収に中日本高速が協力 JR東海と協定へ

リニア用地買収に中日本高速が協力 JR東海と協定へ 

2014/12/26 中日新聞朝刊
 二〇二七年に東京-名古屋間で開業するリニア中央新幹線の用地買収をめぐり、JR東海は一月にも、中日本高速道路(名古屋市)と提携協定を結ぶ方針を固めた。沿線自治体以外の団体・企業が用地買収に加わるのは初めて。日本の大動脈輸送を担う巨大な高速鉄道プロジェクトに、高速道路会社が協力する異例の態勢が築かれる。
 中日本高速が用地買収の担当チームをJR東海に派遣し、沿線自治体と連携して買収に取り組んだり、買収についての助言を行ったりする方向で検討が進んでいる。担当者の人数などの詳細は今後詰める。
 中日本高速は高速道路建設の経験から、長距離にわたって用地を買収するノウハウを持つ。JR東海はリニア建設にもそれが生かせると判断した。二〇年度に全線開業する新東名高速道路の用地買収が今後数年で一段落する見通しで、中日本高速にも余力ができる。
 リニアの工事実施計画によると、東京-名古屋間の全長は二百八十六キロで、用地費に約三千四百二十億円を見込む。直線で都市間を結ぶリニアは地下や山岳部のトンネルが九割を占める。地下三十メートル未満に線路を敷設する場合、その地上部分の地権者への補償か、用地買収のどちらかが必要となる。地権者は沿線七都県で五千人に上る。
 JR東海は整備新幹線の用地買収と同様に、静岡県を除く沿線自治体と用地買収の協定を結ぶ方針。山梨県とはすでに締結しており、愛知県、名古屋市とは締結に向けて基本合意した。自治体には地権者への説明や交渉、補償額の算定などで協力を求める。
 JR東海と中日本高速の広報担当者は「協議を行っているのは事実」としたが「具体的な委託内容は協議中」と話している。

2014年12月23日火曜日

リニア異議申立書5048通を国交省に提出(2014年12月16日リニア新幹線沿線住民ネットワーク)


リニア着工認可処分の取り消しを求め 異議申立て書5048通を提出 12月16日

リニア新幹線沿線住民ネットワークは12月16日午後、参議院議員会館で、10月16日国交 大臣から出された中央新幹線工事実施計画(その1)承認処分について、処分を取り消すことを求 める異議申立て書5048通を処分庁である国交省の鉄道局施設課に提出しました。沿線から駆け つけた沿線ネット関係の約30人が提出に立ち会いました。
提出前に、沿線各グループから持ち寄って最終的に集計した結果、予想をはるかに上回る数に上 りました。選挙期間を含めわずか2か月足らずの活動でしたが、沿線各グループ各位の奮闘と、賛 同いただいた沿線住民、全国の皆さんのご協力に深く感謝します。
申立て人の適格を沿線住民に制約することは許されない!
提出の後、国交省鉄道局施設課職員は、提出に立ち会った沿線住民や記者の質問に対し、「申立 て人はリニア新幹線沿線住民に限定される。沿線がどの地域かはこれまでの同種の事業の例に沿っ て決まるが、沿線住民かどうかを判断するのはJR東海である」という見解を示しました。リニア 新幹線はこれまでの鉄道事業とは別種のものであり、JR東海自身が説明会で「リニアは国家的プ ロジェクトだ」と繰り返していることからも、「日本国民全体が申立人の資格を有する」(川村晃生 共同代表)と考えるのが妥当です。国交省は沿線にこだわらず、事業そのものの再検証を求める声 を真摯に受け止め申立て人資格に制約をつけるべきではありません。
「5千人を超える申立てを、国やJR東海は無視できない」
提出後に開かれた記者会見には、朝日、毎日、読売 東京、信毎、山梨日日の各紙ほか、共同通信、時事 通信、NHK、フリー記者(樫田、宗像両氏)らが出席。 川村代表は、「リニアのアセス自体が手続きを先行 させ、環境評価が極めてずさんであり、それを国が 認め、着工を許したことは到底認められない」と、 異議申立ての動機について説明しました。
 川村代表はまた、参加した沿線住民の人たちに、
「5千人を超える異議申立てを国交省もJR東海も
無視できない」と述べ、今回の申立てが大きな意義を持つことを強調しました。

2014年12月22日月曜日

可児市桜ヶ丘公民館のおけるJRの説明の一部反訳を紹介

リニアを考える可児の会ニュースNo.24(2014年12月22日)

 12月21日に可児市桜ヶ丘公民館で行われたJR東海の事業説明会での、リニアを考える可児の会代表者の質問とJRの回答部分を反訳したものです。その他の部分は、順次紹介して行きます。

質問

 私は、リニアを考える可児の会代表の桑山と申します。三つほど質問させて頂きます。可児市では、古い焼き物の里として、久々利大萱の古窯跡群を保全していますが、JRさんは、ここにリニアを地上走行するということで、これらの古窯跡群は、非常にみっともない形で分断されるということを聞いております。それからまた、住民の方々は、直ぐ近くを通るわけですから、生活環境、振動、騒音、電磁波、微気圧波という被害に晒されるということになります。
可児市としても市長、市議会でも地下化を要望してきたわけです。
しかし、JRさんは、火災のため救助口は必要で、名古屋までの間は地上に出るところがないということで、どうしても必要だということだし、また水も自然に出せるというという理由で地下化できないと言っております。では、救助口はどうなるのか、例えばそこで、火災が起きた場合確実に大萱で、停まれるのかという疑問があります。そうしたら、5キロ毎の救助口が必要なら大萱だって地下化して救助口でいいじゃないかと、どうしても私、そこが納得できんわけですわ。この点何度でも言うわけですが、お聞きしたいと思います。
それから、騒音、微気圧波、電磁波等の国際基準以下だということで今説明がありました。
しかし、測定のやり方というのは、JRさんが一方的に頼んで測った測定器と測定者だと思います。やはり権威ある第三者を交えて測定をしていただいた値でないと私たちはなかなか信用出来ません。そういうことができないのかお聞きします。
それから、可児市大森の救助排気立坑についてですが、あそこはまわりに大団地、桂ヶ丘、星見台、それから農家の新田、平林というところが散在しております。そこに立坑が上がるわけですが振動、騒音、微気圧、電磁波、汚れた空気が排出されると思います。はたしてそれをどのようにして防ぐのか、もう少ししっかりお聞きしたいと思います。

JRの回答

 回答いたします。
 一点目は、大萱を何故通るのかというご質問だったと思いますが、先ずリニアのルートをどういうふうに決めたかということですが、リニアには数々の条件がございますが、技術的な制約ということで、地上を時速500キロで走行するということで、やはり、そんなに急には曲がれない、なるべく直線に近い扇形でなければならないという条件がございます。それから地形上の条件ということで、当然日本列島の中にたくさんある活断層をなるべく回避する、もしくはやむおえず通過してしまう場合は、なるべく直角で距離を短く、通過する延長を短くできるように通っていくというようなことでがございます。それから当然ですが、河川であったりとか、国立公園。河川もなるべく短い距離で渡る、それから国立公園といったような自然環境の大事なところに関してはなるべく避けるというようなことを考え、また環境要素ということで、なるべくですね、生活環境保全の関係から、市街化、住宅地化を推進している地区はできるだけ避けるといったような条件がございます。そういったところを踏まえてですね、岐阜の中でもなるべく直線になるようになっているのを、自然公園、すこし掛かってますが、これをなるべく避けてですね、通っていくと、それから市街化された地域といったものを避けて通っていくといったようなルートで設定しております。これは岐阜だけでなく、他県も同様にルートを勘案して設定させて頂いているということで、我々として考える唯一のルートであるというふうに考えとります。それから、それに対してですね、これは桜ヶ丘ではないですが、久々利になりますが、ここがリニアが通るルートということになります。ちょうどここが大萱地区になりますが、ここはちょっと窪んどります、なので、ここで顔を出させて頂いて、こちらの東側のところから出てくるトンネルの中を流れる湧水だとかというのを、ここで処理させていただくということでございます。
それから先ほど質問者さまの意見もありましたが、これから先は名古屋までずっと地下になります。地下ということはトンネルになります、で、万が一火災が起きた場合、列車を駅もしくは地上部に出さなければならないという規定というか国の規定がございます。そういった意味で、なるべく早く地上の方に出したいというところで、ここで出さなければ、さらに東側で顔を出すところといいますと、恵那市の方まで行ってしまいます。延長が伸びてしまうので、我々としては可及的速やかに地上に出させていただくというところで、こういった場所を設定させていただいております。といったいろいろな観点から大萱を地上化させていただきたいというふうにしております。それから、さきほどの、火災にはどうやって対応するんだという、大丈夫なのかというご意見がありました。
基本的にリニア自体がですね、車両とか、当然トンネルの中もですね不燃性の物であったりとか難燃性、燃えにくい物を使用しておりますので、基本的にはそういった火災はないというふうに考えておりますが、万が一車両に火災が起きてしまった場合というのは、駅もしくはトンネルの外に出すというようなことを義務づけられておりますが、それに対応したトンネルの外まで走行して、そして次に、避難誘導施設によって避難していただくというようなことを考えております。1問目は以上になります。
二つ目になります。
JRが一方的に測定した値ではないのかというご意見でしたけども昨年の12月にですね、説明のスライドの中にもございましたが、一応公開測定という形でですね、専門家の方たち、それから、沿線の自治体の方たちにも見て頂きながら測定をしたものがございます。そこで我々が測定した結果がですね、JRが勝手に測定して、勝手に言っている数値ではないよということを確認していただいております。まあ、その数値がですね、スライドの、先ほどの数値にもありましたが、土被り37メートル地点でですね、0・0001ミリテスラ、まあ非常に小さい値でしたというふうに測定して確認をしていただいております。この数値自体にちょっとよく分からないと思いますが、先ほど言った、ガイドラインの基準値以下の、非常に小さいんですけども、実際そういった地上面での地磁気、一般的にそこら辺にある地磁気というのは、どれくらいかというと、ここにちょっと書いてありますが、0・04ミリテスラというところで、それよりも全然小さい値です。あの、リニアのよって影響を受ける磁界というのは、そこら辺にある磁界に比べると、土被り37メートルのところでの測定値と比べると、そこら辺の磁界に比べると非常に小さい値です。ですので、桜ヶ丘、さらに深いところを通りますので、よりもっと小さい値になりますので、そういったところは我々としても確認をさせて頂いておりますので、ご安心いただければというふうに思います。以上です。
所長 
 幾つか補足させていただきます。まず、先ほどの、地上に出す必要性 というのは、説明したとおりなんですけれども、基本的には、なるべく「明かり」と言っておりますけれどもトンネルがないところに誘導して避難していただくというのが基本に考えておりますが、そうは言っても9割りがたトンネルでございますので、トンネルになる場合もあります、そういった場合は先ほどご質問にもありましたけども約5キロに一カ所設けてあります避難口から避難していただくというふうに考えております。
それから磁界に関しては、信用ならないというお話でしたが、公開測定という形で、25年の12月に、これは当社の山梨にあります実験線の様子で、左上のものが、すぐ左のところをリニアが通ります。したがって何もない真横のところを通っているもの、右下のものは、線が引いてありますが、この下にリニアが走っていると、そこを測定していると、公開測定ということですが、各沿線の自治体の職員の方それから大学の先生にも立ち会っていただいて測定しをしております。で、その結果は、わたしどもの評価書でお示ししている数値と変わらない数値が出たということで、測定のやり方については、まったく問題がなかったということで、この場でご確認を頂いておりますので、測定の値については、信頼性が高いんではないかというふうに考えております。それから、大森の非常口のところの環境ということで、騒音と振動とか微気圧がどのくらい掛かるかという話なんですけど、まず騒音とか振動については、こちらのスライドのとおりでございまして、まず、騒音は32デシベル、それから振動は約30デシベル以下ということになります。それがどのくらいかというのは、このお手持ちの「あらまし」の10ページの真ん中ぐらいにちょうど騒音と振動の目安というのがあります。
今回30デシベル代以下になりますから、騒音と振動について人体にはほとんど、人間としては、ほとんど感じない程度ということは言えます。それから微気圧波ですけど、これもどのくらいかいうことですが、こちらもスライドのほうでの右下のほうに予測しているんですが、約20メートル離れで、18パスカル、50メートル離れで、9パスカルということで、非常に小さいということなんですが、パスカルと言ってもなかなか分かりにくいといったところなんで、そこについてはもう少し分かりやすくしたいと思います。
微気圧波というのは、どういうものかということですが、トンネルを高速で列車が突入したときに圧縮波が生じます。それが、トンネル内を音速で伝ぱんします。音速で伝ぱんしたものが反対側の出口の方で、パルス状の圧力波となって放射されると、で、それで値が大きいとドンという音が聞こえるということでございます。山梨実験線では、これを改良してですね、ドンという音が出ないような形に改良してあります。旧国鉄の時代からですね、まあ、このパルス状の衝撃的なものになりますが、パスカルで対策したほうが実態に合っているということで、これまでそのような形で対応してきたのですが、そこについては、みなさんデシベルのほうが比較的分かりやすいというところでございますので、ちょっとデシベルで換算したときにどうなるかということも説明させていただきます。そもそも音というものは、例えば、こうやって叩いたときに、圧縮したり膨張したりということで音が伝ぱんしていくときは、それが圧縮 膨張を繰り返して波として伝わっていく、それが音の基本的な原理です。人間はそれをどう感じるかという、耳に入ってきて、あとは脳のほうで、それをどれぐらいかと感じるわけですけれどもそのときに脳はそれをフィルターにかけて感知するということになります。そうしますと、実際の物理的な音と、人間の感じる音には、差があります。横軸が周波数、縦軸が補正値という形になっております。例えば1000ヘルツぐらいの音になりますと、これは補正値が0ということで、実際は、その物理的な現象の音と人間の感じる音はほとんど差がないというということになるんですですけど、周波数が小さくなる、つまり低い音になってきますと人間は感じにくくなるということでございます。
例えば、10ヘルツぐらいのところになりますと、補正値はマイナス70デシベルということになります。それだけ感じにくくなるということです。たとえば大きい音の代表としてジェット機騒音がありますけど、50メートル離れのところで、約120デシベルくらいです。これはちょうどジェット機の騒音というのは、1000ヘルツ前後の部分が周波数としても卓越していると、先先ほど言いましたように1000ヘルツぐらいというのは、人間にとって非常に耳障りな音に聞こえてきますので、それは補正なしということになりますから、そのまま120デシベルに聞こえてくるということでございます。
リニアの微気圧波はどうかというと、先ほど18パスカルとか9パスカルという話しをしましたが、例えば20パスカルとして見た時に単純にそのパスカルをデシベルに変換すると120という値が出てくるんですが実際には、微気圧波というのは、10ヘルツ以下の部分が卓越しているということでございますんで、そうしますと、リニアの微気圧波というのは、120デシベルから70デシベル以下50デシベル程度ということでございます。実際山梨の実験線で普通の騒音計を用いて、トンネルの出入り口付近 20メートルあたりのところで、測っておりますが大体50デシベル程度ということで、そんなに大きな音は出ていないということでございます。今後も当社としては、環境の保全に務めてまいります。出入り口あたりの環境汚染対策については、さらなる効果が出せるように環境汚染が小さくなるように努めてまいりますので、よろしくお願い致します。
JRの説明文の朗読が終って、質問が始った最初の質問と(可児の会の代表者)JRの回答部分のみを反訳したものです。

このJR側の説明について、異論がある方は、是非ご意見をよせてください。

2014年12月18日木曜日

リニア 沿線住民5048人が異議申し立て

リニア新幹線建設は、国民が必要とせず自然環境を破壊するとして沿線7都県の住民5048人が12月16日、国土交通大臣の建設認可取り消しを求め、行政不服審査法に基づく異議申立書を提出しました。異議申立の理由書については、東濃リニア通信の2014年11月13日のブログに全文が紹介されています。

リニア建設は環境破壊と訴え 5千人、認可取り消し求める

2014年12月16日 東京新聞
 リニア中央新幹線の着工認可の取り消しを求める異議申し立て書を国交省担当者に提出する沿線住民(左端)=16日午後、参院議員会館
写真
 リニア中央新幹線の建設は自然環境を破壊するとして、沿線住民ら約5千人が16日、行政不服審査法に基づき、国土交通省に着工認可の取り消しを求める異議申し立てをした。リニアは東京・品川―名古屋の2027年開業を目指し、JR東海が17日に着工する。
 異議を申し立てたのは、沿線7都県を中心とする全国の住民。南アルプスを貫くトンネルの建設で「自然環境が回復不可能なダメージを受け、静かな環境に暮らす沿線住民の生活に大きな影響を与える」と指摘。工事残土の処理方法が不明なほか、膨大な電力を消費し、運行の安全性にも疑問があると訴えた。

リニア反対団体、国交省に異議申立書 5千人分を提出

2014年12月16日朝日新聞
 2027年に東京・品川―名古屋間で開業予定のJR東海リニア中央新幹線について、建設に反対する市民団体が16日、国土交通省に建設認可の取り消しを求める異議申立書を出した。国交省の対応を見て、認可取り消しを求める行政訴訟も検討するという。
 沿線7都県の住民らでつくる「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」が、行政不服審査法に基づき、5048人分を提出した。東海道新幹線の3倍とされるリニアの消費電力を「国民が節電に努力しているのに浪費は許されない」と批判。南アルプスを貫く長大トンネルでは自然破壊が避けられず、工事で出た残土の処分やトンネル内の事故への不安は大きいと指摘した。
 記者会見した川村晃生(てるお)共同代表(68)は「ずさんな環境アセスメントのまま着工されては困る。国は環境被害が出る前に認可取り消しを」と訴えた。受理した国交省は「これから申請者の資格や内容を審査する」と話した。JR東海は、ターミナル駅の品川と名古屋で17日に着工する予定。

2014年12月10日水曜日

新幹線公害訴訟を担当してリニアについて思うこと(新幹線公害訴訟弁護団事務局長弁護士 高木輝雄

12月6日、桜ヶ丘公民館で行われたリニア可児の会学習会での高木輝雄弁護士の講演の一部分を掲載する。講演では、これ以外にリニア計画の持つ、① 環境・公害問題(電磁波、騒音、振動、低周波音等、水脈、地下水、活断層、ウラン鉱、黄鉄鉱等 ② 安全問題(超電導磁気浮上式、時速500キロ、地下構造、地盤沈下等 ③ 必要性(社会的必要性が認められない、非人間的、非文化的)などが話され、今後「どう闘うか」の問題では、住民運動の協力な展開と法的手続きとして、① 行政事件訴訟(行政不服審査法に基づく「異議申立て」と(行政事件訴訟法に基づく「取消しの訴え」と ② 民事訴訟法に基づく「工事差止め訴訟」があると述べ、参考裁判例として、
大阪国際空港公害訴訟
尼崎道路公害訴訟
名古屋南部大気汚染公害訴訟
関西電力大飯原発訴訟
を挙げた。
(file:///Users/hitoshi65/Desktop/リニア新幹線をこう考える.pdf) これを検索にかけてください。

2014年12月7日日曜日

リニアを考える可児の会ニュースNo.22(2014年12月7日)

リニアを考える可児の会ニュースNo.22(2014年12月7日)

季節はずれの積雪の中 リニア可児の会学習会 開催される!

思わぬ積雪で驚きましたが、予定した桜ヶ丘公民館での学習会が開かれました。
講師は、元名古屋学院大学教授の古賀哲夫さんと、名古屋新幹線公害訴訟弁護団事務局長の高木輝雄弁護士でした。
古賀さんと高木さんのレジメの要旨を紹介します。

古賀哲夫さんのレジメ

1  大森地区に、大規模の「排気塔および非常階段」が設置されることの問題点
Ⅱ  大森地区の財産区保全と区分地上権設定契約
Ⅲ  大萱地区の文化財保護と地上ルーとによる環境破壊
Ⅳ  JRが行う「リニア工事」と全幹法(全国新幹線鉄道整備法)13条4項の適用問題
Ⅴ  JRの用地取得の発想と→民法の契約理論
 (1) JRは→「当社の作成した契約書に署名・押印していただき契約の締結となる」。と 
    言っているが、民法の契約理論は、「売買契約は両者が合意のうえで作成するもので
    す」。代理人と地権者の代理行為で土地所有権はJRの移転してしまいます。
    JRは、「土地の所有権移転登記は当社にて行う」と言っています。登記についての委任
    状をJRの代理人に渡さないでください。渡すと、代理人によって、登記手続きは容易に
    終了してしまいます。
    印鑑証明付きの印(実印)を押さないでください。
    JRの代理人と称する人に、「正当にJRから依頼を受けたことを証明する書面、委任状が
    あるかどうか確認してください。 
 (2) 権利証は大事な書類です、最後まで渡さないようにしましょう。
 (3) 白紙委任状で、「万事おまかせします」は避けるべきです。
 (4) 売買契約書は2通要求しましょう。
Ⅵ  JRと可児市の間で「児童通学路の安全に関する協定書」締結に必要性と内容。
     大量のトンネル残土の運搬は、通学路の児童の生命を脅かす「トラック公害」を伴い
     ます。速度制限、道路外出る場合の方法、歩道と車道の区別、追い越し禁止、道路の
     変更の禁止、緊急自動車の優先等についての協定を締結する。
Ⅶ  工事をストップさせるには、差し止め請求権の行使が有効で、差し止めについての最近の
   考え方は、① リニア情報が住民に公開されたか地域住民の同意を得る民主的手続きは適
   切であったか。② 環境影響評価の手続きの不備や事前調査の欠如ないし不備はないか。  
   の視点が重視されている。
まとめ
 私は、リニア問題にはJRの側にアセス法上の法的手続きについて、重大な瑕疵・欠陥があると考え、この手続き上の瑕疵を治癒することから、やり直す必要がある。土地を売らないこと、土地を貸さないこと、工事をストップさせることを提案します。


高木輝雄さんのレジュメ

1 序
2 東海道新幹線公害訴訟について
  (1) 東海道新幹線の建設
  (2) 列車走行による公害
  (3) 名古屋地区の沿線住民の運動
      開通直後、沿線住民が騒音振動防止の陳情を名古屋市、市議会に陳情、要請を開始
      ~ 1974年新幹線公害全国連絡協議会結成、国、環境庁、国鉄と交渉開始
  (4) 訴訟への展開
      1974年(昭和49年3月30日 沿線住民575人が訴訟提起(被告国鉄)
  (5) 最高裁継続中に自主和解成立
      ① 国鉄は、騒音振動の発生源対策の開発実施に努める
      ② 国鉄は、住民に対し、和解金を支払う
      ③ 国鉄は障害防止対策(家屋の移転対策・防音振動工対策)を行う
      ④ 国鉄は、高架下・移転跡地の環境保全に努力する
  (6) 和解後の状況
      現在もJRとの間で、年1回和解状況の進捗状況の確認、今後の課題を協議、和解成
      立後、JRの公害対策は相当程度改善されてきた
3 リニア中央新幹線建設について
   三つの問題点を挙げる
   (1) 環境・公害問題
      電磁波、騒音、振動、低周波音等、水脈、地下水、活断層、ウラン鉱、黄鉄鉱等   
   (2) 安全問題
      超伝導磁気浮上式、時速500キロ、地下構造、地盤沈下等
   (3) 必要性
      社会的必要性が認められない
      非人間的、非文化的
4 どう闘うか
    (1) 住民運動
        ・ 建設阻止
        ・ このままでの建設は認められない。環境・公害に対する完全な対策の実
          施、安全問題の完全な克服が必要条件
        ・ JR東海への要求書の提出、直接交渉
        ・ 政府、政党、環境省、国交省への要請
        ・ 地元自治体の協力
        ・ 社会、世論への訴え
        ・ 運動体の連携、統一行動
    (2) 法的手続き
        ア 行政不服審査法(国交大臣に対して異議申立、工事認可後60日以内)
        イ 行政事件訴訟法(取消の訴え 東京地裁、名古屋地裁に対して、6ヶ月以
          内、被告は国 )
        ウ 民事訴訟法で、「工事差し止め訴訟、原告の住所の裁判所、(岐阜地裁)
        エ 参考例
           ・ 大阪国際空港公害訴訟
           ・ 尼崎道路公害訴訟
           ・ 名古屋南部大気汚染公害訴訟
           ・ 関西電力大飯原発差止訴訟

 5 むすび
 
    リニア問題も、国交省の工事認可を受けて、本格的な闘いに入ってきた。
    電磁波問題での小児白血病、住民の健康問題、生活問題など社会的に大きな問題になっ
    てきた。それだけに、やらなければいけない問題だし、やる価値のある問題です。問題
    を真っ正面から捉えて取組んでおられるみなさんとともに、私も可能な限り、お手伝い
    させて頂きます。  



レジメの原本を載せておきます。
古賀レジメ

2014年12月4日木曜日

2014年12月3日水曜日

日本自然保護協会の岐阜県知事及び中津川市長に対するリニア関連工区への要望書

岐阜県知事 古田 肇 殿 中津川市長 青山 節児 殿
公益財団法人 日本自然保護協会 理事長 亀山 章
        
             濃飛横断自動車道計画(リニア関連工区)への要望書


濃飛横断自動車道計画(リニア関連工区)事業のルート及びその近傍に点在する小湿地群 は、シデコブシ、ハナノキ、シラタマホシクサ、ヘビノボラズなどの東海丘陵要素植物と呼 ばれる、多数の希少な植物が生育する環境となっています。この湿地群は、環伊勢湾の独特 の地史を背景としてきたこの地域にしか存在しない特異な環境です。その重要性について はこれまでも研究者をはじめ多くの指摘があります。
今回公開されたルート案では、主要な小湿地群は回避されています。しかし、日本自然保 護協会が独自に解析した下記に示す結果から、本事業の実施により重要な小湿地群に不可 逆的な影響が出ることが予測されますので、環境影響の低減に関して以下の点を強く要望 いたします。

1.中津川市千旦林地区周辺で地形改変を行ってはならない 図1は、国土地理院提供の数値標高モデル(10m メッシュ(標高)をもとに ArcGIS を用いて TWI(Topographic wetness indices)指標による水の集まりやすさを評価した結果 を示したものです。この図の緑丸で示したものがハナノキの分布で、青色が濃いほど TWI 値が高く、地表面の水がより集まりやすいことを示しています。この図を見るとハナノキ の分布する小湿地群は、水の集まりやすい平坦地に連続する微緩傾斜地に特異的に分布し ていることがわかります。また、周辺には同様に水の集まりやすい平坦地に連続する微緩傾 斜地が広がっており、ハナノキが分布する潜在的なポテンシャルが高いことも判明しまし た。さらに図 2 は、地表面の水がどの方向に向かって流れているのかを東西南北 8 方位に 色分けして評価したものです。この図からその流向は一定の方向にまとまっているのでは なく、複雑に入り組んだ流向となっていることがわかりました。こうした場所で盛土や切土 による地形改変が行われることは、地表水の流向を変化させ、かつ水の集まりやすい場所を 変化させることとなります。その結果、ハナノキの分布する小湿地 群を物理的に回避した としても、水文環境を大きく変化させることは避けることができず、小湿地群の乾燥化を ひきおこし、この地域にしか存在しない特異な環境を破壊することになることが予測されま す。したがって、この地域での地形改変は行ってはならないと考えます。(図1〜2は省略)


2.環境影響の軽減措置の検討は公開の場で専門家による科学的な議論をもとに行われる べきである
当該地域の小湿地群の希少性と学術的な重要性は、以上の指摘の通りです。こうした場 所での環境影響の軽減措置の検討は、その妥当性を科学的根拠をもって示さなければ、合 意形成の手続き上も十分なものといえません。現地説明会では、「環境調査等について専 門家の意見を踏まえながら実施する」としていますが、専門家については、その氏名、所 属、専門分野を公表し、ふさわしい専門家であることを証明する必要があります。環境影 響評価の手続きでは、調査および影響予測、評価が科学的に行われること、住民等の意見 が民主的に聴取され反映されることが基本です。したがって、環境影響の軽減措置の検討 は公開の場での専門家による科学的な議論をもとに行っていただきたい。
日本自然保護協会
                                                以上

2014年12月2日火曜日

夢の超特急と呼ぶ前に(朝日新聞デジタル 社説余滴 加戸靖史)

社説余滴)「夢の超特急」と呼ぶ前に 加戸靖史 

2014年12月2日05時00分
 どうもすっきりしない。
 JR東海のリニア中央新幹線計画のことだ。取材を重ねるたび、もどかしさが募る。
 質問すれば、JRの担当者は丁重に説明してくれる。ただ、肝心の答えがどこかぼやっとしていることが多い。
 JRが先月4日、中間駅予定地の相模原市で開いた住民説明会でも改めて感じた。
 住民男性「(神奈川県内で出る1140万立方メートルの)残土は誰が責任を持って、どこで処理するのか」
 JR「30%は車両基地に使う。ほかはほとんど決まっていない。自治体と調整する」
 住民女性「トンネルで事故が起きたら、乗客のお年寄りらをどう避難させるのか」
 JR「トンネル下部の安全な区画を伝って、非常口から地上に出ていただく」
 「何キロ歩くんですか」などとヤジが飛んだが、JR側はそれ以上回答しなかった。
 リニアはしばしば「夢の超特急」と呼ばれる。最高時速505キロで走り、東京、名古屋、大阪を1時間圏に変える。経済効果への期待感は政財界を中心に極めて強い。
 もっとも、新路線が敷かれる地域住民の理解を得ることは譲れない条件のはずだ。
 JRは「環境や安全対策は万全。ご安心を」と繰り返す。だが、住民一人ひとりの疑問や懸念に向き合い、丁寧にぬぐおうとする姿勢が乏しいと感じる。私個人は「夢」と持ち上げる気になれない。
 朝日新聞の社説はリニア計画に反対してこなかった。本格的に動き出した08年10月の社説は「大いなる期待」を示しつつ、国民の懸念を一掃するようJRに求めている。
 国の工事認可が迫った今年9月、私は「懸念は消えていない。JRと国は計画をいったん止めては」と、反対色を鮮明にする社説を提案した。しかし論説委員室の多数の賛同は得られなかった。
 民間企業のJRが全経費を自己負担するとし、慎重に手続きを踏んで進めてきた事業だ。今さら止めろと言うには論拠が弱い――。同僚からはこう指摘された。
 確かにJRの進め方に形式面で疎漏はない。だが実を伴っているか。「夢の超特急を早く」という大合唱の陰で、最も大切にされるべき合意形成がなおざりにされているのでは、との感が否めない。
 JR東海はいま一度、リニアへの異論にじっくり耳を傾けてほしい。「夢」を誰からも歓迎される現実にしたいなら、見切り発車はだめだ。
 (かどやすふみ 社会社説担当)