2015年1月21日水曜日

リニアに関する可児市民の意見(公聴会での公述)その2


(2)公述人B氏(可児市)

今回、私は、このリニア計画路線の地上部分に予定されております、まさに大萱の中心部 の村落に住む住民でございます。地下化を希望する意見を述べさせていただきます。

ちょっと話は長くなるんですが、久々利大萱の村落というのは、わずか戸数が十数軒しか ございませんが、古くから、桃山時代の昔から焼き物の地として知られております。そして この風土を慕って、何十年も前からこの地に移り住み、作陶生活などをつづけている人たち が今現在でもここで生活を営んでおります。かくいう私もまた結婚してから、東京からこの 大萱の地に移り住み、夫の陶芸生活を支えながらかれこれ 50 年近くになります。その頃の大 萱というのは、都会にはない宝物がたくさんありました。四季折々の美しい自然や、きれい な水、そしておいしい空気、夜ともなれば満天の星でした。これらの自然が与えてくれる様々 な恩恵は、便利な都会生活と引き換えに不便な山里で暮らすご褒美だと今でも思っておりま す。だからこそ不便な生活をも耐え忍んで来れたんじゃないかと自負しております。まだ子 供が小さい子育ての頃は、ずいぶんと不便なことも多々ありました。病院も遠いですし、保 育園も学校も遠い、買い物に行くにも遠くて不自由でしたが、それでもこの里山で暮らす生 活は、この不便さをしのぐほどのすばらしい自然との共生があったのです。

今回、私は、このリニア計画路線の地上部分に予定されております、まさに大萱の中心部 の村落に住む住民でございます。地下化を希望する意見を述べさせていただきます。
ちょっと話は長くなるんですが、久々利大萱の村落というのは、わずか戸数が十数軒しか ございませんが、古くから、桃山時代の昔から焼き物の地として知られております。そして この風土を慕って、何十年も前からこの地に移り住み、作陶生活などをつづけている人たち が今現在でもここで生活を営んでおります。かくいう私もまた結婚してから、東京からこの 大萱の地に移り住み、夫の陶芸生活を支えながらかれこれ 50 年近くになります。その頃の大 萱というのは、都会にはない宝物がたくさんありました。四季折々の美しい自然や、きれい な水、そしておいしい空気、夜ともなれば満天の星でした。これらの自然が与えてくれる様々 な恩恵は、便利な都会生活と引き換えに不便な山里で暮らすご褒美だと今でも思っておりま す。だからこそ不便な生活をも耐え忍んで来れたんじゃないかと自負しております。まだ子 供が小さい子育ての頃は、ずいぶんと不便なことも多々ありました。病院も遠いですし、保 育園も学校も遠い、買い物に行くにも遠くて不自由でしたが、それでもこの里山で暮らす生 活は、この不便さをしのぐほどのすばらしい自然との共生があったのです。
子供たちが裸で遊んだ久々利川の水もまだまだ透明で美しかったし、カッコウの鳴き声が聞こえ、そんなと ころで子育てをできる幸せを感じたものです。しかし、バブル期のゴルフ場開発によってこ の川が汚れてしまい、タガメや水生生物もいなくなりました。決定的なダメージを受けたの は、10 年前に起こった東海環状自動車道路工事による黄鉄鉱による汚染水問題でした。これ 以降、大萱の農家はコメづくりさえできなくなってしまいました。山間部を自動車道が通過 したことにより生態系が変化し、キツネやタヌキの姿も見えなくなりました。この十数年を 振り返ってみても、いつもこの村は開発の波に翻弄され、犠牲になってきたのだと思います。 たった十数軒にしか満たないこの村落は、開発事業者から見れば数の内に入らないという論 理なのでしょうが、しかしここには、先祖から受け継ぎ、次の世代へと営々として営み続け る人々の生活が存在しています。私たち大萱の住民が不便さを忍び様々な困難を耐えて守っ てきた里山の自然が、今またリニア新幹線という巨大な開発事業のために、村の真ん中に 20 メートルにも及ぶコンクリートの橋脚が立つ予定です。これでは村が分断されてしまう、ひ どすぎます。必ずまた生態系に影響を及ぼすと思っております。公共の利益か、はたまた個 人の生活権かという永遠のテーマもあるのでしょうけれども、自然破壊はいったん壊された からには、100 年でも再生は難しいといわれております。今私がかすかに将来に希望を持つこ とができるのは、この村落にはここで生まれ育ち、この土地の文化伝統を守り続けていこう とする若い世代の人たちが育っているということです。

今現在でも幸いにしてこうした次世代の若い人たちがいるのです。JR東海には、どうぞ お願いですからもうこれ以上静かで文化遺産的価値のある村落を荒らすようなことはやめて いただきたいと願っております。そのために、県としても現場で生活している我々の、地元 住民の意をくみ取っていただいて、せめて大萱のルートは地下を通す、このようなご支援を くださるように切に切にお願いするものであります。以上です。 

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