2014年12月7日日曜日

リニアを考える可児の会ニュースNo.22(2014年12月7日)

リニアを考える可児の会ニュースNo.22(2014年12月7日)

季節はずれの積雪の中 リニア可児の会学習会 開催される!

思わぬ積雪で驚きましたが、予定した桜ヶ丘公民館での学習会が開かれました。
講師は、元名古屋学院大学教授の古賀哲夫さんと、名古屋新幹線公害訴訟弁護団事務局長の高木輝雄弁護士でした。
古賀さんと高木さんのレジメの要旨を紹介します。

古賀哲夫さんのレジメ

1  大森地区に、大規模の「排気塔および非常階段」が設置されることの問題点
Ⅱ  大森地区の財産区保全と区分地上権設定契約
Ⅲ  大萱地区の文化財保護と地上ルーとによる環境破壊
Ⅳ  JRが行う「リニア工事」と全幹法(全国新幹線鉄道整備法)13条4項の適用問題
Ⅴ  JRの用地取得の発想と→民法の契約理論
 (1) JRは→「当社の作成した契約書に署名・押印していただき契約の締結となる」。と 
    言っているが、民法の契約理論は、「売買契約は両者が合意のうえで作成するもので
    す」。代理人と地権者の代理行為で土地所有権はJRの移転してしまいます。
    JRは、「土地の所有権移転登記は当社にて行う」と言っています。登記についての委任
    状をJRの代理人に渡さないでください。渡すと、代理人によって、登記手続きは容易に
    終了してしまいます。
    印鑑証明付きの印(実印)を押さないでください。
    JRの代理人と称する人に、「正当にJRから依頼を受けたことを証明する書面、委任状が
    あるかどうか確認してください。 
 (2) 権利証は大事な書類です、最後まで渡さないようにしましょう。
 (3) 白紙委任状で、「万事おまかせします」は避けるべきです。
 (4) 売買契約書は2通要求しましょう。
Ⅵ  JRと可児市の間で「児童通学路の安全に関する協定書」締結に必要性と内容。
     大量のトンネル残土の運搬は、通学路の児童の生命を脅かす「トラック公害」を伴い
     ます。速度制限、道路外出る場合の方法、歩道と車道の区別、追い越し禁止、道路の
     変更の禁止、緊急自動車の優先等についての協定を締結する。
Ⅶ  工事をストップさせるには、差し止め請求権の行使が有効で、差し止めについての最近の
   考え方は、① リニア情報が住民に公開されたか地域住民の同意を得る民主的手続きは適
   切であったか。② 環境影響評価の手続きの不備や事前調査の欠如ないし不備はないか。  
   の視点が重視されている。
まとめ
 私は、リニア問題にはJRの側にアセス法上の法的手続きについて、重大な瑕疵・欠陥があると考え、この手続き上の瑕疵を治癒することから、やり直す必要がある。土地を売らないこと、土地を貸さないこと、工事をストップさせることを提案します。


高木輝雄さんのレジュメ

1 序
2 東海道新幹線公害訴訟について
  (1) 東海道新幹線の建設
  (2) 列車走行による公害
  (3) 名古屋地区の沿線住民の運動
      開通直後、沿線住民が騒音振動防止の陳情を名古屋市、市議会に陳情、要請を開始
      ~ 1974年新幹線公害全国連絡協議会結成、国、環境庁、国鉄と交渉開始
  (4) 訴訟への展開
      1974年(昭和49年3月30日 沿線住民575人が訴訟提起(被告国鉄)
  (5) 最高裁継続中に自主和解成立
      ① 国鉄は、騒音振動の発生源対策の開発実施に努める
      ② 国鉄は、住民に対し、和解金を支払う
      ③ 国鉄は障害防止対策(家屋の移転対策・防音振動工対策)を行う
      ④ 国鉄は、高架下・移転跡地の環境保全に努力する
  (6) 和解後の状況
      現在もJRとの間で、年1回和解状況の進捗状況の確認、今後の課題を協議、和解成
      立後、JRの公害対策は相当程度改善されてきた
3 リニア中央新幹線建設について
   三つの問題点を挙げる
   (1) 環境・公害問題
      電磁波、騒音、振動、低周波音等、水脈、地下水、活断層、ウラン鉱、黄鉄鉱等   
   (2) 安全問題
      超伝導磁気浮上式、時速500キロ、地下構造、地盤沈下等
   (3) 必要性
      社会的必要性が認められない
      非人間的、非文化的
4 どう闘うか
    (1) 住民運動
        ・ 建設阻止
        ・ このままでの建設は認められない。環境・公害に対する完全な対策の実
          施、安全問題の完全な克服が必要条件
        ・ JR東海への要求書の提出、直接交渉
        ・ 政府、政党、環境省、国交省への要請
        ・ 地元自治体の協力
        ・ 社会、世論への訴え
        ・ 運動体の連携、統一行動
    (2) 法的手続き
        ア 行政不服審査法(国交大臣に対して異議申立、工事認可後60日以内)
        イ 行政事件訴訟法(取消の訴え 東京地裁、名古屋地裁に対して、6ヶ月以
          内、被告は国 )
        ウ 民事訴訟法で、「工事差し止め訴訟、原告の住所の裁判所、(岐阜地裁)
        エ 参考例
           ・ 大阪国際空港公害訴訟
           ・ 尼崎道路公害訴訟
           ・ 名古屋南部大気汚染公害訴訟
           ・ 関西電力大飯原発差止訴訟

 5 むすび
 
    リニア問題も、国交省の工事認可を受けて、本格的な闘いに入ってきた。
    電磁波問題での小児白血病、住民の健康問題、生活問題など社会的に大きな問題になっ
    てきた。それだけに、やらなければいけない問題だし、やる価値のある問題です。問題
    を真っ正面から捉えて取組んでおられるみなさんとともに、私も可能な限り、お手伝い
    させて頂きます。  



レジメの原本を載せておきます。
古賀レジメ

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