リニア用地買収に中日本高速が協力 JR東海と協定へ
2014/12/26 中日新聞朝刊
二〇二七年に東京-名古屋間で開業するリニア中央新幹線の用地買収をめぐり、JR東海は一月にも、中日本高速道路(名古屋市)と提携協定を結ぶ方針を固めた。沿線自治体以外の団体・企業が用地買収に加わるのは初めて。日本の大動脈輸送を担う巨大な高速鉄道プロジェクトに、高速道路会社が協力する異例の態勢が築かれる。
中日本高速が用地買収の担当チームをJR東海に派遣し、沿線自治体と連携して買収に取り組んだり、買収についての助言を行ったりする方向で検討が進んでいる。担当者の人数などの詳細は今後詰める。
中日本高速は高速道路建設の経験から、長距離にわたって用地を買収するノウハウを持つ。JR東海はリニア建設にもそれが生かせると判断した。二〇年度に全線開業する新東名高速道路の用地買収が今後数年で一段落する見通しで、中日本高速にも余力ができる。
リニアの工事実施計画によると、東京-名古屋間の全長は二百八十六キロで、用地費に約三千四百二十億円を見込む。直線で都市間を結ぶリニアは地下や山岳部のトンネルが九割を占める。地下三十メートル未満に線路を敷設する場合、その地上部分の地権者への補償か、用地買収のどちらかが必要となる。地権者は沿線七都県で五千人に上る。
JR東海は整備新幹線の用地買収と同様に、静岡県を除く沿線自治体と用地買収の協定を結ぶ方針。山梨県とはすでに締結しており、愛知県、名古屋市とは締結に向けて基本合意した。自治体には地権者への説明や交渉、補償額の算定などで協力を求める。
JR東海と中日本高速の広報担当者は「協議を行っているのは事実」としたが「具体的な委託内容は協議中」と話している。
0 件のコメント:
コメントを投稿