2015年6月15日月曜日

「リニアトンネル工事による水質汚染問題」学習会(2015年6月14日 リニアを考える可児の会)

       「リニアトンネル工事による水質汚染問題」

「リニアトンネル工事による水質汚染問題」の学習会(リニアを考える可児の会)が可児市桜ヶ丘公民館で6月14日開かれ、水質浄化問題に詳しい、春日井リニアを問う会の青木正雄さんの話を聞くことができました。水質汚染問題は、リニア問題における盲点だと青木さんは強調しました。春日井リニアを問う会のメンバーも亜炭坑跡の陥没問題がリニアのトンネル工事によってこれまで以上に頻発するのでは、あるいはトンネル工事車両の激増による振動や騒音が増大するのではと心配して数名の方々が参加してくれました。リニアのトンネルは、可児市から多治見市の一部をかすめて春日井市、名古屋市へと貫通します。今後とも連携を深めて行きたいと考えています。

可児の会のコメント 
 リニアのトンネル工事のよる水質汚染問題は、リニア沿線住民だけの問題ではなく、広範な区域の水質が変質することによって国民にとって看過できない深刻な問題です。
 透明度を高めて見た目にはきれいにした汚染水には、まだ重金属など飲料水に適さない水質が残っています。水は人間にとって生存するために不可欠なものです。
 この地方の春日井市や多治見市、可児市でも法律に基づいて市内の各河川での水質検査を継続的に行っていて、現状では汚染は深刻ではありませんが、リニアのトンネル工事が始ると、何が起こるか分かりません。一年に一度の検査では到底たりなくなり、市内全河川での毎日の水質検査が必要となるばかりか、河川だけでなく、地下水の市内全域検査も必要となります。
 可児市内の久々利大萱地区に、JRは、トンネル工事から発生する膨大な水の浄化のためのプラントの設置さえも考えていません。トンネル工事から出た水をそのまま久々利川に流すつもりなのです。久々利川に流された汚染水は、可児川から木曽川に合流して伊勢湾に流れ込みます。かって、久々利地区では、東海環状線のトンネル残土をゴルフ場に堆積して、その汚染水が滝が洞ため池→新滝が洞池に浸透し、新滝が洞池の魚類が大漁に死んでしまった事件があり、県や市は莫大な費用をかけて水質中和プラントを造りましたが、余りに維持費がかかるのでと、現在そのプラントを地元住民の反対を無視して停止してしまいました。
 この事件で、久々利地区では米作りができなくなってしまいました。
 大萱地区に放出されるリニアのトンネル工事による汚染水には、ウランや黄鉄鉱という他地区にはない特有な問題があります。もしリニアのトンネル工事によって放射線汚染や黄鉄鉱による酸性水問題が発生すると、可児川の水で米作りをしている可児市の農業は壊滅的な被害を受けることになります。
 JRは、トンネル残土を有効利用すると言っていますが、トンネル残土の有効利用などできません。福島原発事故による放射線汚染水の保管問題と同様、行き止まりのない永久の難問を抱えることになります。汚染された、あるいは重金属によって危険物質化した残土の持って行き場がないのです。土地の地権者には、仮に深刻なトンネル残土による汚染水問題が起きると、最終的には所有者責任が民法上発生しますから、地下40メートル以浅の権利をJRと地上権契約をむすんでも地下深くのトンネル残土による被害の弁償は地権者が負担することになってしまいます。
しかもJRは、トンネル残土はJRの所有物だと主張していますが、民法上では認められません。

 汚染水による被害の賠償責任が地権者に及んでくる恐れがあるのです。

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