2016年2月10日水曜日

貴重な湿地を残したい リニアアクセス道路 中津川住民ら「ルート変更を」(2016年2月10日中日新聞)

貴重な湿地を残したい リニアアクセス道路、中津川住民ら「ルート変更を」 

2016/2/10 朝刊
 岐阜県中津川市に造られるリニア中央新幹線岐阜県駅(仮称)へのアクセス道路となる地域高規格道路建設により「貴重な植物をはぐくむ湿地が失われる可能性がある」として、地元住民や日本自然保護協会(東京)がルート変更を求めている。事業を進める県は「湿地を避けて設定しており、最適のコース」として、二〇一六年度にも測量に着手する構えだ。
 湿地は、市を東西に貫く木曽川南岸の丘陵地にあり、ラムサール条約に登録されている愛知県豊田市の「東海丘陵湧水湿地群」と同じ構造の湧水湿地。東海地方にしか自生していないハナノキやシデコブシなどの絶滅危惧種が群生し、特にハナノキはルート周辺に約八百本あり、国内最大の群生地とみられている。
 岐阜県によると、アクセス道路は片側一~二車線の延長五キロで、湿地帯の西側を南北に沿うように計画されている。
 昨年十二月に現地を調査した筑波大大学院の佐伯いく代准教授(生態学)らは「貴重な植物の群生地を避けても、周辺で切り土や盛り土をして地形を変えると水の流れが変化して湿地が乾燥するため、影響は避けられない」と指摘。日本自然保護協会も一四年六月、岐阜県に地形改変をしないよう求める要望書を出した。
 湿地のある土地を所有する浅野朝臣さん(79)は「貴重な動植物を犠牲にしてまで、このルートにする必然性がない」と話す。
 これに対し、県道路建設課は「湿地よりも低い斜面に造り、湿地へ流れ込む水に影響がないよう配慮した」と反論。今後は、地下水の流れを調べた上で、湿地に影響が出る可能性があれば、道路の構造と工法を検討するとしている。
 アクセス道路の開通は、リニアが開業する二七年までの予定。環境影響評価(アセスメント)は、対象道路ではないため実施されていない。

0 件のコメント:

コメントを投稿