2016年10月27日木曜日

リニアに公金投入 可決 わずか1日の審議 全額自己負担前提の工事認可 大前提崩れる 

衆議院国交委員会がわずか一日で審議打ち切りして可決、しかもJRの主体性を侵害するなという付帯決議のおまけつき。審議会の様子を訴訟事務局が報告してくれました。

2016年10月25日火曜日

”密室”での僅差の賛成 リニア工事着工、大鹿村議会同意(2016年10月22日中日新聞)


“密室”で僅差の賛成 リニア工事着工、大鹿村議会同意
「密室」での結論は賛成四、反対三の僅差だった-。工事車両による生活環境の悪化を懸 念する声は根強く、住民の賛否が割れるリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事。二十 一日、着工同意の是非を非公開で審議した大鹿村議会の判断は、身内の村議からも「村民の 反発が出る」と疑問の声が上がった。
村議八人が集まった村役場の一室では、近くに異例の規制線が張られ、一時間半の議論が 続けられた。複数の村議によると、途中まで賛否を保留する村議もおり、最後まで同意に至 るかは分からない状況だったという。
終了後に会見した柳島貞康村長と熊谷英俊議長は「(過去に)リニアを巡る発言から傍聴 人に激しく詰め寄られた議員がいた」として「自由に議論するため非公開とした」と説明し た。村役場に駆けつけた住民団体からは「密室での決定は住民軽視だ」と批判の声が上がっ た。非公開を巡っては村議の意見も割れた。
同意に反対した東村邦子村議(67)は「議論して悩んだ結論だという面が見えなくなっ てしまった」と非公開に疑問を呈した。同じく反対した河本明代村議(59)は「確認書の 公表からわずか一日余り。議会として村民への説明責任を果たしたとは言えない」と述べた。
一方、賛成した斎藤􏰀子村議(58)は非公開はやむを得ないとの立場。「村議も賛成、 反対の支持者がいて板挟みで心苦しさがある。熟慮の上での非公開だったのでは」と理解を 求めた。
◆知事、歓迎と注文
阿部守一知事は「着工が広く県の地域振興につながる第一歩となると期待している」と歓 迎する一方、JR東海に対し「大鹿村など関係する市町村の切実な要望に丁寧かつ誠実な対 応を求める」と注文した。
 (五十幡将之、沢田佳孝)

2016年10月23日日曜日

リニアに同意 民意をくみとったか 信濃毎日(2016年10月22日)社説

リニアに同意 民意をくみとったのか

 JR東海のリニア中央新幹線計画の南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)について、下伊那郡大鹿村と村議会が工事開始に同意することを決めた。

 これを受け、JRは11月1日に起工式を行うと発表している。10年余にわたって村民生活に影響を与える工事である。着工の前提となる確認書をJRと締結する前に、村と議会は内容を村民に十分に周知し、民意をくみとったのか。手続きへの疑問は残ったままだ。

 JRは本格着工する前提として「住民理解」が必要としつつ、理解を得たかどうかはJRが判断する考えを示してきた。村民には説明会の開催を理由に、JRが「理解を得た」と判断し着工するのではないかという不信感があった。

 そのため、村議会は3日、村議会と村長が同意を表明した後の工事開始をJRに求める意見書を提出している。工事内容に納得できるのか判断するのは村民である。意見書は当然の対応といえる。

 ただし、村と村議会には村民がJRの対応に納得したのか、見極める責任があったはずだ。

 JRの説明会では、出席者から工事に対する不安や疑問が出た。確認書はそれらに対するJRの回答でもある。それなのに村が確認書を公開したのは締結した後だ。これでは村民に異論があっても反映できない。さらに締結から同意表明まで、わずか2日である。

 議長はJRに意見書を出した後、「各議員で住民の意見をくみ取った上で、工事開始に同意できるか全村議で協議する」と話していた。この約束は守られたと言えないだろう。村政に対する不信も生みかねない。

 県内のリニア工事は、南アルプストンネルのほか、伊那山地トンネルや中央アルプストンネルといった長大トンネルが控えている。関係市町村が今後、同様の対応を続けると、住民と自治体、JRの信頼関係は築けない。

 JRもこれまでの対応を改める必要がある。大鹿村で最後に開いた説明会でも「住民理解」の考え方を巡り、村民から何度も疑問の声が出た。JRは「(手続き論で言えば)法律上はもう工事を進めていい状態になっている」と述べた。住民の不安と真摯(しんし)に向き合う姿勢があるのかが問われる。

 県内の関係自治体の首長には、JRの対応について「むしろ住民理解を遠ざける要因になっている」という見方がある。住民が理解し納得しなければ、予定通りに着工できたとしても工事を円滑に進めることは難しくなる。 

(10月22日)

2016年10月21日金曜日

同意の判断どう説明 大鹿村がリニア工事確認書締結(2016年10月20日中日新聞)

同意の判断どう説明 大鹿村がリニア工事確認書締結

写真
 大鹿村が十九日にリニア中央新幹線南アルプストンネル着工の前提としていた確認書を締結したことで、JR東海の工事が現実に進む。確認書の「承認」を非公開で決めた村議会を問題視する声もあり、村や村議会が、着工同意の判断をどう説明するか注目される。
 締結を受け、村は確認書を公表した。村議会が修正を求めていた「(村民などからの)苦情を解決するため、追加の環境保全措置をとる」との文面も追加された。
 熊谷英俊村議長は「村への影響などは対応するとJRに受け入れてもらった」と話した。一方、リニア工事に反対する住民団体「大鹿リニアを止める実行委員会」の前島久美さん(34)は「努力義務にとどまり、生活を守る範囲にはなっていない」と述べた。
(沢田佳孝、服部桃)
 

2016年10月17日月曜日

ウラン鉱床点在、生活道路に10トントラック一日160台 リニア工事、拭えぬ住民不安(2016年10月17日中日新聞岐阜県版)


■壊される原風景

 森や田んぼが広がり、静寂の中に、鳥や虫の鳴き声が聞こえる。七十八世帯が暮らす日吉町南垣外は野生の動植物にあふれ、瑞浪市でも、自然豊かな場所として知られる。
 JR東海は、この地域に約七・四キロの地下トンネルと、地下と地上とを斜坑でつなぐ非常口を設けるほか、発生する残土の埋設を計画。すでに工事用道路や歩道の整備などの準備工事に着手しており、今年中に起工式を行い、来夏にトンネル工事を始める予定だ。
 計画によると、南垣外工区では、十トントラックなどの工事車両の通行が一日平均で最大百六十台に上る。百三十万立方メートルの残土が出ると想定し、このうち八割強の残土を同工区に埋め立てる。残りの二割弱の残土の行き先は、まだ決まっていない。

■内心は全員反対

 地元住民は、二〇一四年十二月、JR東海が同町で開いた地元説明会で、初めて計画の内容を知ったという。一年後の一五年十二月に南垣外の自治会でリニア対策委員会を編成。リニア工事に向けた地元の要望や意見、問題をまとめた。
 自治会が「反対はしない」との方針を決めたのは今年一月。自治会長の熊谷盛治さん(65)は「理由は、国家的プロジェクトに反対するのは現実的ではないに尽きる。心の中ではもちろん、全員が反対している。住民には何のメリットもなく、迷惑でしかない。だが、反対闘争をすれば、みな疲弊してしまう。苦渋の選択だった」と打ち明けた。

■安心安全求める

 JR東海と住民の意見交換会は、一五年十一月から今年九月まで四回あった。日吉町周辺には、ウラン鉱床が点在していたり、狭い生活道路の市道を十トントラックが走ったりするため、住民はこれまで、具体的な対策について要望を出してきた。
 今月二、六日には、県内で初めて、本格的なトンネル工事説明会が日吉町で開かれ、計百四十人以上が参加した。関係者以外には非公開で行われ、説明会後、JR東海の中央新幹線岐阜工事事務所の渡辺隆所長は「生活道路の安全対策やウラン鉱床を心配する声が上がった。だが、万全の管理体制で進めるので、安全は確保できると思う」と話した。
 しかし、地元住民の多くは「説明は十分ではない」と受け取る。小学六年生の男児を育てる会社員の女性(49)は「息子が大きくなって、一度出て行っても、また戻ってきたいと思えるような、ふるさとの自然を残しておきたい。本当はこの自然を壊したくない」と憤りを示す。熊谷さんは「今後も意見交換会を開いて、生活の安心と安全を守れるよう交渉を続けたい」と話した。

 (篠塚辰徳)
 <リニア中央新幹線>2027年の開業を目指し、東京・品川-名古屋間の約285キロを結ぶ。県内の路線は2割弱。県内では岐阜県駅と中部総合車両基地、変電施設2カ所、山岳部の非常口7カ所を設ける。

2016年10月9日日曜日

リニア工事名城非常口新設設計・施工(日刊建設工業新聞2016年4月7日)

 2016年10月8日春日井リニアを問う会より提供

 「春日井リニアを問う会」事務局の川本です
名城非常口 地中連続壁の工事期間2年間
ミキサー車月に1500台から600台と聞きました
計算したら完成までに4740台になる(推測)
工事説明会で地元住民の発言
「道路に止めてダンプが待機して電話や無線でどうぞ、どうぞと、
生コン車は特にエンジン掛けたままでないと生コンが固まっちゃうので
いつもミキサー回したままですよ。排気ガスすごいですよ」

現在工事進んでおり 掘削土は隣に積み置かれています。
この間の残土は出る量は少ないので積み置きが可能なのか(推測)
その後掘削工事が本格的になる(平成30年度)
掘削土平成30年度に瀬戸市珪砂組合に運び込まれます。
では ごきげんよう!
川本 正彦  〒486-0855 春日井市関田町3丁目117番地1





    
    <名城非常口地中連続壁 工法.pdf><名城非常口 地中連続壁にミキサー車完成まで4740台が出入り.pdf>

2016年10月8日土曜日

リニア工事にともなう環境影響調査実行委員会が行う水質検査(2016年10月12日、御嵩中公民館に午前10時集合)



リニア工事にともなう環境影響調査




 第2回リニア工事のともなう環境影響調査

                  リニア工事のともなう環境影響調査実行委員会
                  事務局:可児 090-7860-4898

 リニア工事のともなう環境影響調査実行委員会は、これまで3回にわたり調査について検討し、2016511日(月)10時から御嵩町・可児市・多治見市における調査箇所を決めるため事前調査を行いました。第2回調査では、各地域で第1回目の水質調査を実施します。

調査日時場所
 20161012日(水)御嵩町中公民館集合
調査箇所(予定)
 御嵩町 3カ所 ①地上部分 ②ため池下 ③ハナノキ群ゴルフ場付近 
 可児市 3カ所 ①久々利地域 ②大森地内 ③可児川
 多治見市 2カ所 ①根本駅 ②その他
調査員(敬称略)
 大沼、籠橋、梅田、松本、長谷川、桑山、可児 
当日の行程
 10時 大沼さんから調査のポイントをレクチャー その後、御嵩町の現場で調査開始
    御嵩町・可児市・多治見市又はその逆行程で調査
 16時 調査後、調査についての総括と今後の進め方の確認
なお、雨天の場合は公民館又は籠橋さんの自宅で大沼講師による学習会をする。

当日の準備品と担当

品目
担当
バケツ(57L)~10mのロープを付ける。出来れば、取っ手の付け根に重り(バケツが水面で傾くように。鉛は不可。ステンレスのナットのようなものが良い)
梅田
手つきビーカーのようなもの(500mLくらい)~ポリビンへのサンプル注入に使用。湧水などの採取に使用。
梅田
小ビーカー~パックテストなどでサンプル吸い込みに使用
大沼
灯油用手動ポンプ(新品)~湧水など少量の水を採取
可児
温度計~水温などの測定
梅田
電気伝導度計
大沼
pH計(比色式、または電極式)
大沼
パックテスト(ホウ素用、フッ素用)
可児
ポリビン(100mL)~地点数分、重金属測定用サンプル用
梅田・大沼
10
略地図(採水地点を網羅した略地図を作成~地点名を決めておく)
全員
11
野帳と筆記具
可児、筆記は各自
12
カメラ
可児、
13
スーパー買い物籠~これらの道具類を入れて現場まで運ぶのに便利
可児
14
電気伝導度とpH(電極式)は、籠橋さんがお持ちだったような
籠橋

2016年10月4日火曜日

9月29日開催の講演会「原発・リニアと活断層〜熊本地震が教えるもの」島村英紀武蔵野学院大学特任教授



それぞれM6.5とM7.3の地震だった)。4月14日に起きたM6.5の地震では回送中の九州新幹線が脱 線した。80kmと低速で走行中であり、乗客もゼロだったので人的被害が無かったのはたまたまの幸運 であった。しかし、この地震で九州新幹線は長期間不通となった。たまたま幸運であったことを教訓と して活かせるかどうかに将来がかかっている。高速鉄道に何かあったら大惨事になることはドイツの新 幹線事故など世界各地の事故が示している。
熊本地震は典型的な内陸直下型地震であるが、もう一つの特徴は日本最長の断層帯である中央構 造線が起こした地震だということである。震源がもっと東に広がれば次は愛媛沖、もし、もっと西南に 広がれば鹿児島県で起きる。ともに原発があるところだから、地球物理学者として気が気ではない。
<地震発生のメカニズム~海溝型地震と内陸直下型地震>
海溝型地震はプレートとプレートの境目で起きる。海溝型はプレートの沈み込み、内陸型はプレート の押し合いによってひずみがたまり、岩石が我慢できる限界を超えて起きる地震で、日本列島のどこ でも発生する。2005年の福岡県西方沖地震(M7.0)は、日本史上一度も地震が無かったところに起き た。地球の営みに比べれば、人間が知っている歴史はほんのわずかなものである。
<トンネル工事中直下型地震が起きたこともある。緊急地震速報は直下型地震では間に合わない>
東海道線の丹那トンネル工事で落盤事故などで67人が犠牲になった。また、芦ノ湖の3倍もの水が 吹き出し、トンネルから160m上の盆地で水枯れが発生し不作をもたらした。工事は16年にわたったが、 難工事の理由は活断層である丹那断層をくりぬいたことである。この活断層は、工事中の1930年にm 7.3の北伊豆地震を惹き起こした。阪神大震災並みの直下型地震で、掘削中のトンネルが左右に2.7m も食い違ってしまった。
日本のどこでも直下型地震は起きる。また、緊急地震速報は直下型地震には間に合わない。緊急地 震速報(新幹線では早期地震検知システム)の数秒から十数秒では、フルスピードで走っている新幹線 は止まれない。九州新幹線の脱線事故で証明された。
<日本人は地震国・火山国に住む覚悟と知恵を持たなければならない>
日本では、兵庫県南部地震(阪神淡路大震災、1995年、M7.3)や東北地方太平洋沖地震(東日本大 震災、2011年、M9.0)などがあったものの、首都圏では1923年の関東大震災(M7.9)以来、大被害をも たらす地震は起きていない。実は首都圏に限らず、中部地方、紀伊半島、四国も地震は少ない。その理 由は分かっていない。江戸時代から大正にかけては6年に1度小台地震が起きている。それが普通であ り、この静かな状態がいつまで続くかは分からない。火山噴火のリスクも高まっている。M9を超える地 震は世界でこれまでに7回あったが、日本以外では例外なく、噴火から数年以内に1000kmの範囲内で 大噴火が起きている。
私たち日本人はプレート活動の恩恵を受けている。しかし同時に、地震国・火山国に住む覚悟と知恵 を持っているべきであろう。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
■続いて、原発メーカー訴訟の事務局の野副達司さん が福島原発事故について原発メーカーの製造責任を認 めなかった一審判決を不当として直ちに控訴したと述 べ控訴審での傍聴参加を呼びかけました。最後に脱原 発かわさき市民の喜多村憲一さんが「伊方原発の再稼 動は許されない。川内原発、伊方原発再稼動の中止さ せよう」と訴え、川崎市内で定期的に行われているさよ うなら原発1千万人署名」への協力を呼びかけました。 (講演会報告はリニア東京・神奈川連絡会、2016.10.3)
■島村教授の講演の後、ストップ・リニア!訴訟原告 団事務局長の天野捷一さんが、9月23日に開かれた 第1回口頭弁論について報告し、「この裁判は、国とJ R東海を相手に、実質的にはリニア新幹線の是非を 問うものになる」と述べ、更に国のJR東海に対する3 兆円の財政投融資は、自社負担で建設することで認 可された前提を根本から覆す、国民への裏切り行為 であり、リニア事業は白紙に戻すべきだと撤回を求 めました。