JR東海、リニア残土恒久処分を打診 土壌汚染恐れ
編集委員・伊藤智章 2019年10月7日08時00分
リニア中央新幹線トンネル出口予定地付近。道路右手森奥にある元ゴルフ場予定地や町有地が、 JR東海が打診する残土処分場候補地になっている=岐阜県御嵩町美佐野
JR東海が岐阜県御嵩町に対し、リニア 中央新幹線建設に伴う残土同町内 で恒久処分を打診していることがわ かった。残土に重金属が含まれて土 壌を汚染する恐れがあり、JR環境基 準を超える残土を処分する土地を購入 して管理する方針だ。だが同町産業 廃棄物処分場計画が大きな問題にな った歴史があり、地元で反発や慎重 な対応を求める声が出ている。
御嵩町など岐阜県東部に、自然 由 来 カドミウムやヒ素 など重 金 属が含 まれる地 質 帯 があり、トンネル工 事で掘り出した場合、汚染対策が必要 な「要対策土」となる。
JR東 海 これまで、リニア建 設 工 事 をする岐阜県要対策土処分地について、同県中津川市と瑞浪市各1カ所に期間限定「仮置き場」を設置している。御嵩町で 恒久処分が決まれ、同県で初めてとなる。
編集委員・伊藤智章 2019年10月7日08時00分
リニア中央新幹線トンネル出口予定地付近。道路右手森奥にある元ゴルフ場予定地や町有地が、 JR東海が打診する残土処分場候補地になっている=岐阜県御嵩町美佐野
JR東海が岐阜県御嵩町に対し、リニア 中央新幹線建設に伴う残土同町内 で恒久処分を打診していることがわ かった。残土に重金属が含まれて土 壌を汚染する恐れがあり、JR環境基 準を超える残土を処分する土地を購入 して管理する方針だ。だが同町産業 廃棄物処分場計画が大きな問題にな った歴史があり、地元で反発や慎重 な対応を求める声が出ている。
御嵩町など岐阜県東部に、自然 由 来 カドミウムやヒ素 など重 金 属が含 まれる地 質 帯 があり、トンネル工 事で掘り出した場合、汚染対策が必要 な「要対策土」となる。
JR東 海 これまで、リニア建 設 工 事 をする岐阜県要対策土処分地について、同県中津川市と瑞浪市各1カ所に期間限定「仮置き場」を設置している。御嵩町で 恒久処分が決まれ、同県で初めてとなる。
JR東海8月末、御嵩町と町議会に「取扱注意」と書かれた22ページ文書を提出した。 同町美佐野トンネルから出る約90万立方メートル残土うち、約40万立方メートルを近く 元ゴルフ場予定地など約6ヘクタールに、残り50万立方メートルを隣接する町有地7ヘクタ ールに埋める案が示されている。さらに、トンネル出口付近で残土から溶出する重金属量など を調べ、基準値を超える要対策土町有地に持ち込むとする。要対策土を持ち込んだ土地 み、JRが購入し、遮水型置き場とし、地下水検査もして、「将来にわたり責任をもって管理 させて頂 く」――などと書 かれている。
JR東海が2017年6月に地元に説明した案に、元ゴルフ場予定地付近みが挙げられて いた。こ案に要対策土言及がなく、地元で該当する地域に生息する希少鳥類や植物 保 護 が問 題 になっただけだった。埋 め立 て後 にJRに水 道 などを整 備 してもらい、工 業 団 地 にする構想も出た。だがそ後、地権者一部が反対したため、元ゴルフ場予定地付近を縮小 し、町 有 地 を含 めることにした。
要対策土恒久処分案について、JR東海広報「町と協議していること事実だが、詳細 控 えたい」、御 嵩 町 も「JRから提 案 があったが、まだ何 も決 まっていない」としている。
御嵩町で1997年、木曽川に隣接する産業廃棄物処分場計画賛否を問う全国で初めて 住民投票があり、反対が多数を占めた。JRが打診した恒久処分場遮水シートなどで外へ汚染水が出ないようにする計画といえ、近くに設ける調整池から流れ出た水、可児川を経 て木曽川に注ぐ。町議中で「処分場にノーといった町が受け入れていいか」「町民に広く 知らせて判断するべきだ」など意見が出ている。(編集委員・伊藤智章)
JR東海が2017年6月に地元に説明した案に、元ゴルフ場予定地付近みが挙げられて いた。こ案に要対策土言及がなく、地元で該当する地域に生息する希少鳥類や植物 保 護 が問 題 になっただけだった。埋 め立 て後 にJRに水 道 などを整 備 してもらい、工 業 団 地 にする構想も出た。だがそ後、地権者一部が反対したため、元ゴルフ場予定地付近を縮小 し、町 有 地 を含 めることにした。
要対策土恒久処分案について、JR東海広報「町と協議していること事実だが、詳細 控 えたい」、御 嵩 町 も「JRから提 案 があったが、まだ何 も決 まっていない」としている。
御嵩町で1997年、木曽川に隣接する産業廃棄物処分場計画賛否を問う全国で初めて 住民投票があり、反対が多数を占めた。JRが打診した恒久処分場遮水シートなどで外へ汚染水が出ないようにする計画といえ、近くに設ける調整池から流れ出た水、可児川を経 て木曽川に注ぐ。町議中で「処分場にノーといった町が受け入れていいか」「町民に広く 知らせて判断するべきだ」など意見が出ている。(編集委員・伊藤智章)
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