2015年8月3日月曜日

リニア工事への申入書に対するJRの回答(口頭)(2015年7月27日リニアを考える愛知県連絡会)

リニア工事への申入書に対して、2015年7月27日JR東海からリニアを考える愛知県連絡会に口頭での回答がありました。ICレコーダーに記録したものを反訳したものが、
春日井リニア新幹線を問う会の川本正彦さんから送られてきましたので、掲載します。


リニア中央新幹線工事への申し入れ書      2015年7月27日回答           
JR東海(東海旅客鉄道株式会社)殿
リニアを考える愛知県連絡会
共同代表  川本 正彦 春日井リニア新幹線を問う会
     臼井 泰紀 リニア新幹線を考える守山の会
   小川 輝夫 リニアを考える西区の会

 “夢の超特急”、“未来の技術はすぐそこに”、“リニア革命”、“スーパーターミナル・ナゴヤ”と大きく宣伝され、愛知県内各地域でも、貴事業所主催の説明会が開催されました。
私どもの会員の多くの者が参加しましたが説明時間が十分でなく、質問にも回答がなく終了してしまった経過から、今日でも、多くの不安と心配を持っています。私ども、県下の3つの地域を中心とした「リニアを考える愛知県連絡会」では、以下の事項への質問と要望を提出いたします。リニアの推進には、技術的な問題、環境への影響、採算性や安全性など多くの問題があり、このことの解決なしには、すすめるべきでないと考えます。
申し入れ書への回答をよろしくお願いします。

1.これまで開かれたJR東海の事業説明会への対応について
事業説明会では、多くの質問がだされましたが納得のいくような説明がされませんでした。その後も多くの方が質問しようとすると「時間終了です」と言って、打ち切られました。
リニアは採算が取れるのか、発生土を運ぶ工事車両のルートの問題とその影響はどれだけあるのか、トンネル工事による地下水の枯渇や湧水の発生などの対策は、地権者・住民への損害補償はどのようにされるのか、大地震などの非常時の対応、特に障害者など車いすの弱者はどう避難すればいいのか、リニアは、多くの電力を消費するが無駄ではないか等について、十分な説明がされませんでした。
以下、地域での事業説明会での問題点について記述いたします。
① 守山区では、瀬古小学校での事業説明会の1回しか行われませんでした。住民の間では1回のみの開催では「疑問が解消されていない」との声が上がっています。このような状況で、工事を進めることできるとお考えでしょうか。「丁寧に説明を行う」とした国交大臣の意向にも反する 今回の対応について貴社の見解を伺います。
回答 ①事業説明会においては、工事スケジュールなどの計画概要・環境保全措置・用地補償の考え方を中心に説明、その後の質疑応答にも寄せられた質問に丁寧に説明した。事業説明会はあらかじめ2時間を確保、具体的な工事内容を数十枚のスライドで40分程度 残りの一時間を質疑応答にあて、さまざまな質問に答えた。会場の許す範囲で時間を延長 瀬古小学校説明会に2時間30分行い、これにより多くの方にご理解が深められたと思う。今後計画の進捗に応じて、必要な方々に中心線測量・用地測量・物件調査の説明および施工説明会の説明を丁寧に行う。守山区においても物件調査のための個別説明を行う。なお、ご質問やご意見については愛知工事事務所で承っており、その旨を事業説明会でお伝えしている。
② 春日井市は、「春日井広報」に市内で行われる事業説明会開催の案内を掲載しようしましたが、JR東海が止めたと聞いていますが事実でしょうか。(春日井広報には掲載されませんでした)
 回答 ②自治会に参加されていない方・地域にお住いのない方などに向けての市区町村単位の説明会については、春日井広報に掲載したほか、新聞、テレビ報道・弊社HPで行ったので、地域の方には十分に周知されていると思う。それぞれの地区の説明会では、地区の自治会に回覧で周知を行った。JR東海が春日井広報に掲載を止めたという事実ございません。

③ 名古屋市西区では、3カ所で行われましたが、特に、地上権の問題がどのように扱われるのか等の質問に対する説明が十分でなく住民の中に多くの不安が残っています。再度、住民の不安に応える説明の場が必要と考えますがその予定はありますか。
回答 ③地上用地に係る土地建物の所有者、借地権者など、関係する権利者の方を対象に用地説明会を開催した。個別の補償内容については、用地説明会以降にそれぞれの方に説明いたします。
④ 国交大臣は認可にあたって「地元住民等への丁寧な説明を通じた地域の理解と協力を得ることです」としていますがJR東海中央新幹線愛知事務所を訪れても3人しか入れません。説明も口頭のみで詳しい資料は一切出しません。電話での問い合わせにも口頭でとされ、資料をFAXで求めても断られます。JR東海の対応は認可後の現在も国交大臣の意向に反しています。改善を求めます。
回答④工事事務所は工事を進めるにあたって、地元の方からご相談をいただいたり理解をしていただくために、特別に丁寧に対応しており、大人数の方がまとまってお越しいただく場ではありません。丁寧に説明回答するために3名が適当と考えている。資料については弊社ホームページに掲載している。

2.リニア中央新幹線必要性と採算性について質問いたします。
(1)リニア開業により、10%利用増を見込んでおり、採算性の見通しはあると説明されました。
 東海道新幹線の座席利用率は毎年減少し、2009年では55.6%になっています。JR東海自身が輸送力増強の旗印を取り下げました。リニアの輸送能力は、現行「新幹線」の50%しかありません。15 時間運行して運べる乗客は現行新幹線で15 万6 千人ですがリニアは、7 万5 千人となり8 万1 千人(52%)の人が取り残されます。東京~名古屋間で現行新幹線は1 時間50 分、リニアは東京駅~品川駅~名古屋間で1 時間30分(在来線への乗り換え時間を加味しても)となり、わずか20分の短縮で現行新幹線の3 倍以上の電力量を使いリニアにはメリットはありません。在来線との乗り入れが出来ない・都市集中・地方過疎化を促進する・電気エネルギー浪費型・環境破壊・災害時に物資輸送に適していないなどデメリットの多い高速輸送システムです。
回答 (1)中央新幹線の建設の最大の目的は現在、東海道新幹線が担っている東京・名古屋・大阪間の大動脈輸送を将来にわたって維持発展させてゆくために、東海道新幹線の将来の経年劣化・大規模災害に対するリスクに備えること。東海道新幹線は昨年10月で開業50年を迎え、鉄道の建設に長い期間を要することを踏まえれば、将来の経年劣化・大規模災害に対して抜本的に備えなければならない、東日本大震災を経て大動脈輸送の二重形化により、最大リスクに備える重要性は高まっている。その役割を代換えする中央新幹線を自己負担を前提として弊社が開発してきた超電導リニアにより活性的・速やかに実現して東海新幹線と一元的に経営してゆくこと 中央新幹線は高速性による時間短縮効果により首都圏・中京圏・近畿圏が1時間圏内に約6000万人の巨大都市圏が誕生する。広域的な交流が促進され、ビジネスチャンス・新しいライフスタイルが創出されるなど中央新幹線は日本の未来に不可欠なものとなる。
弊社では、これまで東海道新幹線に設備増強に取り組み(乗車本数?)を増やすなど輸送サービス向上に務めてきた。景気の波などから輸送のひっ迫度合いはその時々変化はしますが、東海道新幹線はフル稼働に近い状態であることには変わりはない、東海道新幹線の将来の経年劣化・大規模災害に対する備えとして中央新幹線が必要であるとの結論が得られている。 品川から名古屋までの所要時間は大幅に減少するため乗り換え時間を考慮しても時間短縮効果は大きいと考える。 さらに新幹線との乗り換えがスムーズにゆくようにエスカレーター・エレベーターなど移動設備の完備し、乗継効率を高めるようにする。
環境影響については、既存の新幹線や在来線とは速度域がおおきく異なるため比較することは適切ではない。
  
(2) 前社長(山田)も「採算は取れない」と明言 リニアの大阪開業で15%の増収を見込んだ同社の試算は、「生産年齢人口」が2011 年8130 万人が2050 年には5001 万人になり3100 万人減少することを加味していない試算となっており、リニア新幹線の乗客の増加は期待できません。一転して赤字路線になることは必至です。
リニア中央新幹線はJR東海が全額負担するということですが、大幅な赤字になれば、税金投入で国民が負担することになりかねません。この様な採算の取れない事業は、中止すべきです。
また、多くの住民は今の「新幹線」で不便を感じていません。多額の投資をして採算が合わない事業で、時間を短縮してリニア新幹線を走らせることの必要性があるでしょうか。
回答(2)くりかえし
中央新幹線の建設の最大の目的は現在、東海道新幹線が担っている東京・名古屋・大阪間の大動脈輸送を将来にわたって維持発展させてゆくために、東海道新幹線の将来の経年劣化・大規模災害に対するリスクに備えること。
 投資による金銭的な採算性を追求するものではない 建設期間中から開業後に至るまで東海道新幹線との一元的経営のもと上場民間企業として健全経営と安定配当を堅持して計画を完成させる。
健全経営と安定配当を堅持して自己負担でプロジェクトを完成できることについては、平成22年4月に公表した長期資産見通しで確認している。同年5月には交通政策審議会でその内容を説明して平成23年5月に答申は、弊社の試算は充分に慎重な見通しに基づくものと評価をいただきました。その後、建設主体・営業主体に指名された。平成22年4月に長期資産見通しを公表して以後、東日本大震災で乗客利用の減少はあったが短期・限定的で経営は堅調に推移している。 
くりかえし
東海道新幹線は昨年10月で開業50年を迎え、鉄道の建設に長い期間を要することを踏まえれば、将来の経年劣化・大規模災害に対して抜本的に備えなければならない。東日本大震災を経て大動脈輸送の二重形化により最大リスクに備える重要性は高まっている。その役割を代換えする中央新幹線を自己負担を前提として弊社が開発してきた超電導リニアにより活性的・速やかに実現して東海新幹線と一元的に経営してゆくこと。中央新幹線は高速性による時間短縮効果により首都圏・中京圏・近畿圏が1時間圏内に6000万人の巨大都市圏が誕生する。広域的な交流が促進されビジネスチャンス・新しいライフスタイルが創出されるなど中央新幹線は日本の未来に不可欠なものとなる。

3.残土トラックの騒音・振動・環境汚染について
リニア中央新幹線は258kmの8割以上がトンネルで、トンネル建設による自然環境と生活環境の破壊は避けられません。そこで以下の項目について質問をします。
  1. JR東海の資料では春日井市の神領非常口から県道75号線における現況交通量12,839台(内765台の大型車)が走行します。そこへ1日最大800台の工事運搬トラックが加わることになれば排気ガス・交通渋滞・騒音・振動など生活環境の悪化が増大します。生活環境悪化に対してどのような対策を行いますか。
回答(1)工事車両の運行に使用する、道路の周囲にお住いの皆様の生活環境を考慮しできるだけ既存の幹線道路を利用するか、道路の現況を把握したうえで短い距離で既存の幹線道路に至るルートを選択する。 工事の実施にあたっては、具体的な工事用車両の運行時間帯や安全対策について、警察及び周辺に小学校がある場合は学校側と話し合い、関係機関と必要な調整を行う。地元の皆様に丁寧な説明をして進めてゆく、運行にあたっては、道路の状況・交通量の調査して適正な運行計画を作成する。
環境を保全するための具体的な対応として工事用車両の運行ルートの分散、車両の法定速度の順守 アイドリングストップの推進、急発進・急加速の回避、エコドライブの徹底、工事の平準化を検討している。

2. 名古屋駅前の工事用車両ルート10地点を通過する車両の最大数は、一番多い所では一日あたり682台、合計で3,940台にもなります。今でも名古屋駅前は超高層ビルの建設ラッシュで、ダンプカーなど大型車両が通行しており、その上、リニア工事による工事車両が膨大に増えると、子供や高齢者の交通安全にも影響を及ぼし、騒音や排気ガスなど生活環境の悪化が起きます。生活環境への対策は具体的にどのようにされますか。
回答(2)工事用車両の最大数は工事期間の最大数においても騒音規制法の基準値以下になると環境影響評価に示している。名古屋駅前の工事車両ルートの10地点のピーク時期は工事開始後4年目となり11年目に分散されているので10地点を単純に合計した台数3940台に基づいて評価することは適切ではない、環境影響評価(予測量)の評価は名古屋駅周辺においてはほかの事業の影響も考慮し増加交通量を加算したうえでおこなっている。
くりかえし
【工事車両の運行に使用する道路の周囲にお住いの皆様の生活環境を考慮しできるだけ既存の幹線道路を利用するか道路の現況を把握したうえで短い距離で既存の幹線道路に至るルートを選択する。工事の実施にあたっては具体的な工事用車両の運行時間帯や安全対策について警察及び周辺に小学校がある場合は学校側と話し合い、関係機関と必要な調整を行う 地元の皆様に丁寧な説明をしてゆく】
3. 名古屋駅の工事車両は、昼間の渋滞による騒音・環境汚染を少なくするため夜間での走行がされると説明されています。夜間も工事車両の出入りが行われれば24時間、騒音・排気ガスで環境が汚染されることになりの住民の間では多くの不安が出されています。工事車両の夜間の出入りは具体的にどのようになるのか、また生活環境悪化への対策はどうなるのか。
回答(3)作業時間として地上部の工事は昼間、地下駅を含めたトンネル工事は昼間及び夜間に施工を行う。夜間作業は地上に影響の出ないトンネル工事・現在の列車の運行を確保しながらの工事など
鉄道事業の特性上やむを得ない工事を実施する。 地下部分の工事は地上との比較は確保されているので地上での生活環境への影響は小さい、生活環境への対策は排出ガス対策型機械の採用、(?)、 アイドリングストップの推進、工事の計画施工にあたっては地域の皆様の生活に十分に配慮し、工事の着手にあたっては工事説明会を開催し丁寧に説明する。工事を行う際には関係法令や条例を順守するとともに請負会社に指導を行う。

4. 立て坑非常口における、建設機械駆動による騒音と振動にどのように対処されるのか。
回答(4)環境影響評価書にも記載されている低騒音低振動型の建設機械を採用する。環境保全措置の実施、環境に配慮して工事を進める。工事着手前には非常口周辺では工事説明会を開く。

5. 愛知県内の残土と汚泥の処分先は決まったのか。
回答 (5)発生土については愛知県及び関係市町村の協力をいただき、発生土の活用先となる公共事業・民間事業を取りまとめてもらい、情報収集の結果、想定される発生土の量を上回る情報提供をいただいた。 現在、工区・非常口の内 具体的な利用に関して、関係者との調整や現地での環境調査を進めるなど候補地の選定をすすめている。汚泥については、今後活用先を決めてゆく。発生土・汚泥の活用先は工事説明会で説明する。

6. 愛知県西尾町から岐阜県可児にかけて重金属含有残土(美濃帯地層)が掘削される危険性は高いと考えられます。掘削土・汚泥処理水とのモニタリングは具体的にどのように実施されますか。
7. 重金属含有残土および重金属含有汚泥水はどのように処理しますか。
回答 (6)(7)発生土の搬出については必要に応じて工事前に自然由来の重金属などの溶出特性の調査を実施、工事中には発生土に含まれる自然由来の重金属の調査を定期的に行い、適切な現場管理を行い関係法令即して処理する。建設工事に伴い発生する排水については、発生水量を考慮した処理能力を備えた脱水処理設備で各自治体に定められた排水基準に従って適切に処理し、基本的には河川など公共用水に放流する。

8. 汚泥122万㎥から処理される汚泥水の量はどのくらいと見込んでいますか。
回答 (8)愛知県内での建設汚泥量は122万㎥、建設汚泥は脱水処理を行うことで減量化を図り取り扱う建設汚泥の量を低減する。

4.  トンネル工事による亜炭鉱跡の陥没と影響
春日井市では、現在、亜炭鉱坑道には地下水が溜まっており、地盤の安定を保っていると考えられています。リニアのトンネルに沿って地下水脈が作られます。ここに亜炭鉱内の地下水が流れ出して陥没を誘発します。
  1. リニア路線地域の現状の保全記録を行うようにと沿線の住民から要求が出ています。どう対処されますか。
坑道は縦横に広がっております。工事に先行して坑道があれば充填すると説明されています。亜炭鉱の充填方法はどのように行われますか、充填する範囲はどこまでか。
回答 ①大深度地下区間は強固な支持地盤よりさらに10メートル以上深い場所をシールド工法で施工するため地盤沈下は発生しない 地上部の家屋調査は必要ないものと考える。
念のため地上面に異変がないか確認しながら工事を進める。 計画路線上で採掘跡があったと想定される坂下非常口の南側から、東名高速道路の北側につきましては、文献に約50mと記載されている立坑の深さは地上から約100mから60mの深さとなるトンネルとは離れており、これまでの地質調査の結果からもトンネル近傍には空洞や亜炭鉱跡は見つかっていない、付近の地層を構成している東海層群は高層建築物の基礎となる強固な支持地盤となっている。トンネル近傍から離れた位置における振動の影響はない、シールド工法は地下水を満たしている坑道から地下水を引き込むことはない、亜炭鉱跡の空洞は存在せず工事による空洞への影響はないものと考える。 さらに地質調査を実施してトンネル近傍の亜炭鉱や空洞の状況を明らかにするとともに必要に応じてトンネル掘削時にはトンネル前方の空洞を調査して空洞が存在する場合は必要に応じて前方からの充填工法を考えている。地上への影響はないようにする。
なおこの地質調査については地権者の協力をいただきながら実施中です。具体的な対策方法、事例としてはボーリング抗を通じて地下の坑道内にスラリー状の充填剤を注入し硬化させる充填工法・トンネル掘削時の前方の調査や対策においてもこれらを応用して水平ボーリング・先進ボーリング坑を通じた充填工法を考えている。そうした事例を参考にトンネル工事の影響を受ける範囲を専門家や関係機関の意見を踏まえ検討しながら調査対策を行う。
② 工事により広い範囲での坑道の地下水が抜け出て、離れた場所での陥没が誘発されると考えられますが、どのように対応されるのか。 
回答 ②シールド工法は地下水を満たしている坑道から地下水を引き込むことはない
③ 充填作業では坑道内に溜まっている地下水はどのように処理されますか。
回答 ③一般的な充填工法では地表に影響がない圧力で充填するため空洞に地下水があると充填圧よって空洞内の地下水が周辺に染み出ると考える 
④ 充填剤による地下水の汚染は起きないか。 
回答 ④一般的な充填工法では使用する材料については事前に有害物質等の試験を行ってから使用しますから、汚染は生じない。

5. トンネル工事による地下水の枯渇・汚染の対応 完成後の湧水の発生について
トンネルに沿って地下水脈が作られ、周辺の地下水・湿地環境への影響が懸念されます。
① 春日井市周辺地域では地下水・井戸水は上水道・介護施設 養護老人ホーム・農業などに利用されており、地下水・井戸水の枯渇が懸念されています。どのように対処されるのか。
回答①都市部においては駅・変電施設・非常口の工事及び(?)影響について シュミレーションモデルによる(?)予測を行い、トンネルの工事(?)の影響について(?) 工法の観点から影響がない 春日井市東北部山岳部においては地質調査の結果から基盤岩は浅層では亀裂が少なく全般的に硬質な(?岩)と考えられ透水性が低い、浅層と深層の地下水の性質が異なっていることを確認した。これらの地質や水質の状況から山岳トンネルの掘削に伴う切羽や岩盤側面の割れ目から地下水が構内に浸出することは考えられるがトンネル内に流入する地下水はトンネル周辺の範囲にとどまり、それ以外の深層の地下水や浅層の地下水への影響は小さいと考える。以上から、トンネル工事施工の影響は小さい、施工にあたり適切な工法を採用、環境保全措置を実施して影響の低減を図る。具体的には先進ボーリングなど最先端の探査技術で地質や地下水の状況を把握して必要に応じて薬液注入を実施、(コーン・コンクリート?)、防水シートを適切に設置することで影響の低減を図る
② 岐阜県可児から春日井市西尾町のトンネルからは湧水が発生します。トンネル湧水の発生量の予測をされていますか、トンネル湧水をどのように汲み出し・どこに排水するのか・排水される湧水の水質管理は行われますか、どのように考えていますか。
回答②トンネル工事施工時及び供用時に発生する排水については、発生水量を考慮した処理能力を備えた脱水処理設備で各自治体に定められた排水基準に従って適切に処理し、基本的には河川など公共用水に放流する。
水の発生量は工事計画の中で完成しており 排水計画の詳細については工事説明会で説明する。
③ ナトム工法によるトンネル工事に使う土壌凝固剤による地下水の汚染にどう対応するか。
回答③水質については薬液注入にあたって国が定めた基準の基づいた工事を行うため影響はない。
④ 名古屋駅周辺では、今もビルの建設ラッシュで地下水や湧水の発生が懸念されています。浅深度で名古屋駅への工事が進めば、西区那古野地域や名駅周辺での影響が心配されています。名古屋駅周辺での地下水や湧水の対策をどのように検討されていますか。
回答④トンネル部はシールド工法を採用、シールド工法は気密性が高い工法であるので地下水への影響は小さい 環境影響評価にも記載しており、名古屋駅の工事及び(?)の影響についてはシュミレーションモデルによる予測評価で地下水への変動量は、浅層地下水で16cm深層地下水で13cmと予測して地下水への影響は小さい。工事中においては止水性の高い連続壁を設けるため工事排水や漏水による地下水の水位低下は小さい。水質については薬液注入の国の指針の基づいた工事を行うことから影響はない。工事着手前には観測井戸を設置、地下水の水位・水質を継続的な監視を行い地下水の変化を確認する。

6. 地権者・地上の住人への説明について
地権者・地上の住人に事前に説明もなしで、ルートを設定して地下深度40メートルの地上権は発生しないと言っていますが 路線上の地価が2%下落することは不動産業界の常識とされている。地価の下落・地盤沈下に対して、地権者・住人に対する損害補償はどのように考えているか。回答をお願いします。
また、大深度地下地域では、土地利用について工事中、終了後にどのような制約があるのか説明してください。
回答6.中央新幹線の路線については環境影響評価書法に基ずいて開催した説明会の中で適切に説明しております。大深度地下の事業区域にお住いの皆様にはご理解を深めていただくために自主的な説明会である「大深度地下の公共的使用に係る事業概要書の説明会」を平成26年4月に3回開催している。
地価については社会的・経済的・行政的要因など市場取引による変動されるものであり、地価への影響ついては弊社にはお答えする立場にはない。
大深度地下については工事中・工事後も地上に影響がないので地価に跳ね返ることはないので補償は考えていない 大深度地下を使用しても日常の土地の使い勝手に影響を与えない。大深度地下区間は強固な支持地盤によりさらに10m深い所を掘り進むシールド工法で地盤沈下は発生しないと考えているので地上部の家屋調査は必要ない 念のため地上面の状況について変異がないことを確認しながら工事を進めていきます

7. 地震・災害の対策について
30年以内に起きるとされる東海・東南海地震に対して、リニアは中央構造線と糸魚川―静岡構造線の二つの大断層を横断します。貴社の見解では、「地上よりもトンネルの方が安全」「リニアはガイドウエイに守られて安全に停まることが出来る。」とされています。地震が発生したときに早期地震警報「テラス(Terra-s)」でP波を検知して主要動(S波)が到着するまでに震源地で直近の場合で3秒と言われています。リニアは震度6以上の揺れの中を、58秒間2.6k走行します。減速して補助車輪が出たところでガイドウエイに障害物が落下したり、落石や土砂崩れに遭遇して急停車したら、乗客が吹っ飛び大変な車内事故につながります。急停車するにも限界です。安全に停車できるか疑問です。昨年の11月22日に長野県北部の糸魚川―静岡構造線断層帯の一部である神代断層地震で最大震度6弱の地震が起きました。この地震で南東に約29センチ動き約12センチ沈没しました。これでもトンネル及びガイドウエイは破壊しないといえるのでしょうか。地震によるトンネルの崩壊はないのか、具体的な、検証はされているのですか。回答をお願いします。
回答7. 全般的にはリニアは地震に強い構造であり、一般的に地震の揺れは地下深くなるほど小さくなるという特徴があり まず路線を選定する段階で活断層をできるだけ回避しており、やむを得ず活断層を通過する場合に適切な設計・工法により構築をいたします。近年で供用後にトンネルと活断層が交差した地震として上越新幹線の例がある。この事例を踏まえ必要な場所にはPKコンクリート量増やす方法・ロックボルトの本数を保護する方法・(?)コンクリートの厚みと強度を増やす方法・補強鋼材を入れる方法・トンネル形盤に(?ビンバーグ)を施工して卵型に近い形で施工する方法・周辺の地盤に薬液注入を行う方法などの適切な補強対策を実施することで対応している
ガイドウエイの破壊については強力な磁気バネにより常に車両を中心に保持する力が働いている 万が一地震で大きな荷重が作用した場合にも案内ストッパーリングにより車両とガイドウエイとの直接衝突を防止してゆく ガイドウエイについてはこうした荷重に耐えられるよう設計する。仮に地震の揺れが大車輪の案内ストッパーリングとガイドウエイ壁面に大きい場合 案内ストッパーリングがバンパーとしてガイドウエイに先に接触することにより車両本体はガイドウエイに衝突することを防止している。

8. ガイドウエイの資材置き場、建設場所をどこに設ける予定ですか
 愛知県内におけるガイドウエイの資材置き場および建設場所が示されておりません。広大な土地を使用すると思われ、環境への影響が大きいと考えられます。資材置き場と建設場所をどこに設けるかを質問します。回答をお願いします。
回答8. 工事に伴う必要な資材置き場や作業ヤードについては地元自治体のご協力をいただきながら検討を進めている段階です 今後計画の進捗に合わせて地元自治体に相談して適切な時期に関係する方に説明する・必要な手続きを進めてゆく

9. 火災・災害発生時の対応について具体的に聞きたい
リニア新幹線が運行されるにあたりを多くの不安が指摘されています。運転手がいなくて乗務員も何人いるかわからない。こんな中で火災や災害が発生して40m以下の地下トンネルの中でリニア新幹線が停止した場合、西区の事業説明会では、JR東海は「5km毎に避難する退避場所がある。」「地上へは、はしごを伝って安全に避難ができる」との説明でした。しかし、障害をもった方をどのように避難させるのか、安全に地上まで誘導できるのか具体的な回答がされませんでした。何人の乗務員で、どのような緊急措置を行い、幼年齢者・高齢者及び障害者への対応はどのようにされるのについて回答をして下さい。
回答9. 大深度地下区間においては、避難設備としてトンネルの下部に安全な避難通路を設置し約5㎞おきに設置する地上非常口内にエレベータなどの昇降設備を設置して、地上までの安全な避難通路を確保している。
エレベーーについては電源を多重化して広域電源に対応したものとしている。
列車には複数の乗務員を乗車する。非常時には乗務員がお客様の避難誘導を行います。お客様にも協力いただき避難誘導を行ってゆきます。避難については消防関係機関と調整している。消防隊の移動支援・負傷者などの搬送は例えばカーべツトと言われる小型の運搬車両を活用する。山梨リニア実験線において都市トンネルを模擬した設備を設置しており、トンネル内で車両から降車し非常口に誘導する訓練を行っており問題がないことを確認している。

10.  リニア走行に伴う電磁波・微気圧波・排熱・換気施設の低周波音について
① 電磁波については、高圧線下での小児白血病が増大する研究報告や、脳腫瘍などの危険性が指摘されています。
リニアによる電磁波や騒音・振動による人体への影響や周辺の生態系の影響について、綿密な調査と対策が求められます。低周波電磁波について、国際的なガイドライン以下でも安全であるとはなっていません。 
JR東海の資料では国際的なガイドライン以下だから影響はないとしているが その根拠は何か。
回答① リニアにおける現象は超電導磁石によって発生する低い周波数の磁界は、一般の電磁波のように空間を伝搬してゆく波としての性質をもつものではなく、距離が離れるにしたがい急激に減少してゆく性質のものです。この低周波磁界について国の基準としてICNIRPガイドラインを採用することが決められておりガイドラインを下回っており懸念には及ばないる。 WHOの見解によると国際的に定められたICNIRPガイドライン以下では磁界による健康への影響はないとされており、超電導磁石の磁界は国の基準であるICNIRPガイドライン以下で管理してゆきます。
山梨リニア実験線で実測とした磁界はすべてICNIRPガイドライン以下となっており健康への影響はないと考えている。
平成25年12月5日になりますが改めて磁界データーを確認していただければと、山梨実験線での測定作業を見ていただいておる。その際、各地点で測定した磁界の値がICNIRPガイドラインを大幅に下回っていることを確認していただいた。測定データー及び磁界にかかわる弊社の考え方はホームページに掲載している。
② 微気圧波について、 通過時に多孔板・開閉装置で低減できるとしていますが、同時に熱風を排出する換気機能と避難口を兼ねた、非常口から微気圧波を低減はできないと「鉄道総研の論文」に、出されています。
285K走行の長大トンネルでの微気圧波の予測はどのように検証されたのか。
回答 ②微気圧波は列車がトンネルに突入する際に形成された圧縮波がトンネル内を伝播しトンネル出口や非常口に放射されるパルス状の波のことです。圧縮波が非常口で放出される微気圧波についてはトンネル入り口に干渉口を設置するほか 非常口に多孔板を設置し低減をしてゆく トンネル入り口の干渉口及び多孔板による微気圧波の低減については山梨実験線でその効果を確認した。非常口では列車が通過する前にトンネルから地上への分岐経路となる開閉装置で遮断することで微気圧波が発生することはない

③ 熱風について、 2010 年の中央新幹線小委員会では熱風について「現行の新幹線の3 倍になり環境にどんな影響するかわからないけれども、配慮せざるを得ない」と議論がされているにもかかわらず、排出される熱風の温度はどのくらいになるのか明らかにしていません。
非常口からの熱風の予測温度が示されていません。具体的に示してください。
回答③ これまでの新幹線とは異なり常時、換気を行いトンネル内に熱を残さない計画でトンネル内から排出される空気により非常口周辺は高温になることはない。地下駅においても既存の地下鉄と同様であり地上部がトンネル内から排出される空気により高温になることはない。
④ 換気施設からの低周波音についてISOなどを用いて設定した参考値以下になりますとあります。としていますが具体的に説明してください。
回答 ④環境影響評価書に記載したとおり低周波音に対する感覚と評価に関する基礎研究 ・ISO7196・国のマニュアルである低周波音の測定方法に関するマニュアルを用いて、参考値を目標として設定し、その目標との整合が図られていると確認している。

11.駅前開発とセットで工事への協力を自治体がしているがJRとしてどう考えているか。
名古屋市が、名古屋市総合計画2018で名古屋駅前に巨大高層ビルを林立し、笹島から「ささしまライブ24」まで長大な地下通路をつくり、駅前ビルを空中歩道でつなぐなどの「名古屋まちづくり構想」をしています。
リニア中央新幹線によって東京一極集中がいっそうすすむ、人、モノ、カネが名古屋から東京に流れるストロー現象がおこる可能性は高いと多くの方から指摘されています。名古屋の街づくりについて、どのように考えておられるのか。
名古屋駅前の開削工事は、駅東側と駅西側合わせて約70棟の建物に対して行うとしていますが。名古屋駅周辺の深度30m の地上権が発生する地域・住民に対する十分な説明が行われないまま、JR東海は名古屋市に協力を求め、名古屋市は「名古屋まちづくり構想」の都市整備事業による、住宅地の強制収用で住民の追い出しも起きることが懸念されています。リニア事業はJR東海が全額負担する工事です。JR東海は自らの手を汚さずに名古屋市に任せるというのは本末転倒しております。JR東海が自らすすめるように求めます。
回答 11.名古屋駅周辺地区の街づくりについては名古屋市が主体となって平成26年9月に「名古屋駅まちづくり構想」が策定されており、現在は構想の進捗に関する情報発信・情報共有を目的とした「名古屋駅周辺まちづくり推進懇談会」や「各論を議論するプロジェクト調整会議」が設置され、名古屋市を中心に関係事業者間の調整が進められている。弊社も鉄道事業者として利用者にとって使いやすい駅が実現するよう意見を申し上げているところである。昨年10月17日の工事認可後、弊社は事業主体として品川から名古屋までの全線で事業説明会を開催してきた。
愛知県内では4か月間にわたり、用地取得や区分地上権設定への協力をお願いしなければならない、西区那古野地区の皆様にも30回の説明会を開催し、中央新幹線事業の計画概念・環境保全の取り組み・用地取得や区分地上権設定の内容を含む今後の進め方などについて、説明し質問に対応してご理解を深めていただけたものと考えている。これらの方々を対象に用地説明会を行っているところである。用地の取得業務については、中央新幹線事業は全国新幹線鉄道整備法第13条4項に基づいて地域の事情に精通し用地補償のノウハウを備えた名古屋駅まちづくり公社へ委託しています。弊社は建設主体として用地取得全体を統括し用地説明会を主催し、事前の協議・契約の締結・(公金に係る?)・補償金の支払いを行ってゆきます。

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