2016年8月8日月曜日

2016年8月4日木曜日

春日井リニアを問う会ニュース第9号(2016年8月7日)

以下は裏面です。
安倍内閣はリニア新幹線工事、財政投融資で行うと決定
2045 年開通とされる大阪開通 8 年前倒しに財政投融資から 3 兆円を融資
初年度 2016 年に 1.5 兆円 残り 1.5 兆円を翌年に融資 返済は 30 年間利子のみ 低金利で貸し出す。 政府は財投債を発行して金融機関が購入、資金を調達してJR東海に融資する。
今後、経済変動で金融利子が上昇すると差額は国が負担することに。金融機関が購入した財投債、金融事情が 悪化すると国が(税金で)買い戻すことも起きる。 リニアはJR東海が全額出資して行うとした前提が崩れ、国家プロジェクトとして国民の税金を使うことに
南アに54の重要種 静岡市はリニア工事 予定地調査を公表(2016/7/28 )
静岡市は27日、ユネスコエコパーク(生物圏保存地域の南アルプスに含まれるJR東海のリニア中央新幹線工事予定地で2015 度に実施した環境調査結果を公表した。動植物調査では、初めて実施した14
度の46種を超える54の重要種を確認し、絶滅危惧種のエゾアカヤマアリなど、 JR側の調査で文献上も記録がなかった生物を新たに確認した。
動植物調査はリニア工事で自然環境の改変が予測されるトンネル非常口の予 定地周辺などで実施した。確認した54種のうち、JR側が実施した環境影響評 (アセスメント)手続きで現地確認していない種が12種類あった。
絶滅危惧種では、植物がセリ科のホソバハナウド、ラン科のユウシュンラン、鳥類はコサメビタキなどが見つ かった。このほか、地域的に孤立し絶滅の恐れがあるとされるチチブコウモリを新たに確認した。
市環境創造課は「今までに確認していない重要種がまだ生息・生育している可能性がある」として調査を続け る方針。環境調査は動植物に加え大気質、騒音、水質など6種類あり、工事用宿舎建設候補地で森林伐採の可能 性がある区域周辺の植生調査も初めて実施した。JR東海は市の調査結果公表を受け「市と情報交換し、事業を 進めるにあたって活用する」とコメントを発表した。
名古屋城の南、名城非常口工事説明会が行われた。(6 2 日、5 )
工事車輛が通行する、出来町通の住民から苦情や要求が出た。
出来町通は渋滞も多く清水口から東大手の渋滞が絶えず騒音、排気ガスの問題が出ている。 特に拘置所前の交差点は、バスが通るだけで振動がある。夜中にトレーラが走ると震度 2 程度の振動がある。 事前調査が全然されていない状況で、こうした道路に工事車輛を通行するのはおかしい。 出来町通ルートは回避してほしい。ダンプや工事車輛の待機場所、注意箇所マップを開示してほしい。

運転者を教育すると言っているが実際は守られることはない。重量をチェックしてから走行するのか? 発生土の行く先も決まっていない状況で説明会を開くのはおかしい、決まってから行うべきではないか 説明会を行ったというアリバイ作りではないか。 非常口の隣、名城病院を取り巻くように工事車輛の通行ルートになっている、排気ガスと騒音で環境が悪化して 入院患者への影響がある。走行はやめてもらいたい。

2016年8月3日水曜日

リニア延伸前倒し(2016年8月3日中日新聞)

中部圏、発展戦略の見直しも リニア延伸前倒し 

2016/8/3 中日新聞
財政投融資により大阪延伸が前倒しされるJR東海のリニア中央新幹線実験線=3月
 政府は二日、リニア中央新幹線の大阪延伸を最大八年間前倒しするため、財政投融資(財投)でJR東海に三兆円を貸し付けることを閣議決定した。JR東海も延伸前倒しを正式に表明した。巨額の整備費を自己負担する同社にとって、金利の支払いを減らせる国の支援は追い風で、中間駅が置かれる三重県からも歓迎の声が上がる。ただ、三大都市圏がリニアで結ばれる時期が早まることで、東京や大阪に埋没しない名古屋圏の都市戦略づくりを急ぐ必要が出てくる。

◆「名古屋終着」も8年短縮

 「大きな一歩を踏み出せた」。三重県の鈴木英敬知事は閣議決定を歓迎する談話を発表した。三重・奈良ルートによる大阪までの早期全線開業を国に繰り返し要望してきただけに「このタイミングを逃すことなく、三重・奈良ルートの早期実現と中間駅の位置確定を目指す」と意気上がる。
 リニア中間駅の設置を要望している同県亀山市の桜井義之市長も「朗報で力強い。三重・奈良ルートの決定に向けた推進活動を一層加速させていく」とコメントした。
 リニア新幹線は二〇二七年に東京・品川-名古屋間が先行開業し、十八年後の四五年に大阪まで延伸する計画だった。名古屋までの建設費は実に五兆五千億円に上る。JR東海は巨額債務の返済を優先させるため、名古屋まで開通後はいったん八年間の「養生期間」(同社幹部)を置いてから、大阪への延伸工事に取り掛かる腹づもりだった。
 しかし、政府の財投で資金調達できれば、銀行からの借り入れや社債発行に比べて金利負担を減らせる。このため柘植康英社長は「経営のリスク低減を生かして大阪への工事に速やかに着手する」と談話の中で明言した。
 JR東海は財投の三兆円を東京-名古屋間の建設費に投入し、債務負担を抑えた上で、その後の工事中断期間を短くする考えだ。「名古屋開業とほぼ同時に延伸工事に取り掛かれる可能性もある」と同社関係者は期待する。
 一方で、大阪延伸の前倒しは、名古屋が「リニアの終着駅」でいられる期間が短くなることを意味する。「大阪までリニアが開通していない間に、名古屋が発展できる」(財界関係者)との期待もあったが、最大八年の前倒しは名古屋の都市戦略に少なからず影響を与えそうだ。
 地域経済に詳しい名古屋学院大の江口忍教授は「人口七千万人の三大都市圏が一体となる時期が早まり、中心に位置する名古屋にとっては大きなチャンスでもある」と強調する。従来のリニア開業をにらんだ議論は東京ばかりを意識していたが、今後は大阪までの延伸を意識した戦略が必要という。
 その上で「ものづくりという強みを生かし、スピード感を持って進めなければ、リニアが全線開通した時に名古屋が埋没する危険性もある」と警告している。

◆「財投は民業圧迫」 恨み節も

 政府の財政投融資(財投)は、民間企業に低い金利で資金を長期間貸し付ける制度だ。日銀のマイナス金利政策で、銀行の貸出金利や社債の利回りが過去最低の水準に落ち込んでいるものの、JR東海にとって金利負担を軽減できるメリットは大きい。
 JR東海が4月に発行した20年物の社債の利率は0.421%。過去最低の利率ながら3兆円を調達すれば、最初の1年間に支払う金利は126億円になる計算。これに対し、財投の最低利率0.1%で調達できたとすると、金利負担は30億円と4分の1に減る。
 ある金融関係者は「将来的に金利が上がるリスクを考えれば、民間銀行が20年や30年もの長期にわたって低利で融資するのは難しい」と指摘。財投は金利の変動もないため、長期の事業計画が立てやすいという。
 財投をめぐっては「民業圧迫」との恨み節も聞かれる。東海地方の地銀幹部は「マイナス金利下で私たちは必死になって貸出先を探している。そんな中で巨額の資金需要を失うのは非常に手痛い」と打ち明けた。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの鈴木明彦調査部長は「リニア建設は、事業費の全額を民間企業が負担するという点で画期的なプロジェクトだった。財投によって政治介入という『見えないコスト』が発生する可能性もある」と指摘している。

◆持続的成長へ連携確認 財務相と日銀総裁

 麻生太郎財務相と日銀の黒田東彦総裁は二日夕、東京都内で会談した。デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けて意見を交換し、二〇一三年一月に政府と日銀が交わした共同声明を基に緊密に連携していくことを再確認した。
 麻生氏は会談後、貸し出し期間が長いリニア中央新幹線向けの融資を念頭に「超長期の四十年物国債の増額について市場参加者と意見交換した上で結論を出したい」と記者団に述べた。
 政府は経済対策で、低金利で資金調達できる環境を生かした財政投融資の積極活用を打ち出している。麻生氏は四十年債を増額しても国債全体の発行額は増やさない考えも示した。

 (経済部・石原猛、三重総局・相馬敬、大山弘)
 <財政投融資> 公共性が高いプロジェクトに対し、民間では対応しづらい長期・低利・固定の資金を国が供給する制度。政府系金融機関などが融資や投資を行い、借り入れた企業などが元本を返済したり、利子を支払ったりする必要がある有償資金。税金を財源とする補助金など返済義務のない無償資金とは異なる。国債の一種である財投債などを発行し、市場から調達する資金が財源に充てられる。

2016年8月1日月曜日

リニア建設計画 騒音・環境・健康被害に懸念、高木輝雄(2016年8月1日しんぶん赤旗)

以前、桜ヶ丘公民館で講演してもらった高木輝雄弁護士の記事がしんぶん赤旗(2016年8月1日)に掲載されました。


2016年7月31日日曜日

法学憲法研究所(2016年7月25日)

ストップ・リニア訴訟 なぜ、リニア計画は中止しなくてはならないか
2016725


関島保雄さん(弁護士 ストップ・リニア訴訟弁護団共同代表)

1 行政訴訟の提起
 今年520日、東京・神奈川・山梨・静岡・長野・岐阜・愛知の16県を中心としたリニア中央新幹線沿線住民738名は、国を被告にして、20141017日に国土交通大臣が行ったJR東海に対するリニア中央新幹線の東京名古屋間の工事実施計画の認可取り消しを求める行政訴訟を東京地裁に提訴した。
 リニア中央新幹線計画が、営業の健全性、輸送の安全性、工事の安全性、環境保全の対策等がいずれも不十分であるにも拘わらず、国土交通大臣が工事計画を認可したことは、全国新幹線鉄道整備法及び鉄道事業法並びに環境影響評価法に違反しているとして、その取り消しを求めるものである。
2 リニア中央新幹線の幻想と環境破壊の現実
 リニア中央新幹線は、超電導磁気により地上10センチメートル浮上方式で時速500キロメートルという高速走行を実現し、東京・大阪間を約1時間で結ぶ。東京・名古屋・大阪が通勤圏となり、世界に対抗できる約7000万人の機能都市を実現するための夢の超特急であるとして、JR東海や国土交通省は、リニア中央新幹線の利便性を大々的に幻想を強調している。
 しかし、東京・名古屋間の完成が2027年と11年先で、東京・大阪間の完成は2045(平成57)年と30年も先である。日本の人口は減少に入り、生産人口は現在約8000万人が2045年には5353万人に減少すると予測されている。7000万人の巨大都市圏は成立しえず必要もない。むしろ東京に人口と経済が集中し、名古屋大阪は衰退し地方はもっと衰退することが予想される。
 一方では、日本の自然の宝庫である南アルプスに総延長50キロメートルものトンネルを掘り、大井川源流に360万立方メートルもの残土を捨て、毎秒2トンの水が大井川から流失するという自然破壊を伴う。
 国交省やJR東海は、東海・南海地震で日本の経済の大動脈である東海道新幹線が使えなくなった場合の代替路線としても中央新幹線は必要だと主張する。
 しかし、代替路線としては現在の北陸新幹線を大阪に延長する方が早い。そればかりか、中央新幹線のコースである南アルプスは中央構造線及び糸魚川静岡を結ぶ中央地溝帯が交差するところで、地震の巣となる断層が多数存在する。万一直下型の地震が起きれば、中央新幹線自体も走行不能となるし、乗客の安全も確保できない。
3 全国新幹線鉄道整備法(以下、全幹法という)違反・鉄道事業法違反
 元々中央新幹線は全幹法に基本計画とされていたが、莫大な工事費と自然破壊を伴うことから国会での承認が得られないと考え、政府としては工事計画の実施に踏み切れなかった。ところが2007年にJR東海が自ら手を挙げて工事費9兆円を全額自己負担で工事をするから工事をさせてほしいと表明したことから、リニア中央新幹線計画が具体的に動き出した
 民間企業のJR東海が新幹線の建設主体となるのは異例である。国土交通大臣が、リニア中央新幹線に全幹法を適用して民間のJR東海に工事を指名し、工事計画を認可するのは全幹法に違反する。本来は鉄道事業法による鉄道事業の認可をすべきで、経営の安定性、輸送の安全性、環境影響評価等厳格な審査が要求されており、鉄道事業法にも違反する。
①ネットワーク性の欠如
 リニア方式は、超電導で浮上し磁力で走行する独特の走行方式で軌道式でない。このため既存の新幹線と相互の乗り入れが出来ず、全国の鉄道のネットワークを形成できない点で全幹法の対象とすべきではない。
JR東海の経営の危機を招く危険性が高い。
 JR東海は、現在は東海道新幹線の収入で莫大な利益を上げて安定している。しかし、リニア中央新幹線の工事費の増大と乗客の需要予測の過大が経営危機を招く。
 工事期間が名古屋まで12年、東京大阪間は30年先と長期であるため、全体の工事費が予想以上に倍増することは公共事業の常識である。巨額な借金による9兆円を超える工事費の負担はJR東海の経営を圧迫する。日本は人口減少傾向にあり、中央新幹線の完成後はドル箱である東海道新幹線の収益を悪化させ、乗客需要が伸びないことから、工事費の為の莫大な借金は経営を圧迫し、JR東海は経営上持ちこたえられない危険性が高い。その結果は国民の税金の投入である。すでに、安倍政権は、このことを予測して、超低金利の政府財政投融資3兆円をJR東海に貸し付ける方針を決めたという。税金の投入であるにもかかわらず国会の審議も経ていない非民主的なやり方である。
③乗客の安全性の欠如
 中央新幹線は東京・名古屋間の86%がトンネル構造である。地下トンネル内で事故が起きた場合の乗客の安全が確立していない。特に南アルプスの長大トンネル内で事故が起きたら、乗客は安全に脱出できない。
 さらに、南アルプスは中央構造線及び糸魚川静岡を結ぶ中央地溝帯が交差するところで、地震の巣となる断層が多数存在する。万一直下型の地震が起きれば、中央新幹線自体も走行不能となるし、乗客の安全も確保できない。
4 環境影響評価法違反
 環境影響評価法33条は、環境影響評価対象事業を許認可するものは、対象事業につき環境保全について適切な配慮がされているかを審査し、環境保全への適切な配慮を確保しなければならないとなっている。しかし、国土交通大臣は、JR東海の環境影響評価が環境保全への適切な配慮を欠くにもかかわらず、リニア新幹線工事計画を認可した。
 中央新幹線は東京・名古屋間の86%がトンネル構造である。環境影響評価書では、トンネル掘削に伴う6358万トンもの大量の発生土(東京ドーム51杯分相当)を、どこに運ぶのかほとんど明らかにしていない。南アルプスの大井川源流の河川敷に360万立方メートルの残土を捨てる計画を明らかにしたが、自然が豊かであることから登録されたユネスコエコパークの中であり、エコパークと両立しない計画である。このように残土処分による沿線各地での2次的環境破壊が予想される。
 またトンネル掘削による沿線各地での河川の水枯れ等地下水への影響は深刻である。現に大井川源流では毎秒2トンがトンネル内に流失する。その流失した水をトンネルから導水路トンネルを掘って下流の大井川に戻すとしているが、流量が減った河川の水生動物への悪影響が予測される。リニア新幹線工事による地下水脈への悪影響は、十分予測されるが、環境影響評価書は、生物への影響は小さいとしてその保全を確保する姿勢を示していない。
 その他工事に伴う大量の工事車両の運行は、沿線各地で長期間の工事中、交通渋滞や騒音振動排気ガスの増大等の住民被害を起こす。長野県大鹿村では11736台(1分間に3台以上)もの大量の車両が5年間続くことが予測され、それ以外の沿線地域も多量の運行車両が予測されている。
 またリニアによる電磁波の乗客や沿線住民への健康影響や、岐阜でのウラン鉱脈のトンネル工事によるも放射能汚染も心配されている。これに対し環境影響評価書は心配いらないレベルだとか、ウラン鉱脈は通過しないと一方的に決めつけている。しかし、安全が確保されているわけではない。
 中央新幹線の計画には、このように乗客の安全や沿線住民の生活環境への影響等重大な問題を抱えている。
5 訴訟の課題と今後の運動の取り組み
(1)原告適格の壁との闘い
 行政訴訟は、まず原告を制限している。リニア中央新幹線の工事計画で被害を受けるなどの法律的な利益が侵害される住民に限られる。
①工事の為に土地や家屋や立木を奪われる人
②工事の為の工事車両や機械などの騒音、振動、排ガス、交通渋滞等の被害、高架のための日照の被害、トンネル工事による飲料水源、農業用水被害者、リニア新幹線車両の騒音被害を受ける人。 
 
③原告全員は、リニア中央新幹線の乗客になる可能性があり、安全な輸送を確保される法律上の利益がある。また、ユネスコエコパークに選ばれた南アルプスの良好な自然環境を享受する法律上の利益を有している。
 原告の内で①は問題ないが②のどの範囲までの原告に原告適格を認められるかは被害の広がり次第である。また③の原告全員の原告適格を裁判所に認めさせられるかが大きな課題である。
 運動体は①の原告を増やすため、工事予定地内に立木トラストの市民を集め原告適格を確保している。
(2)運動としての課題
 東京から名古屋まで沿線286キロメートルと長大な東京・神奈川・山梨・静岡・長野・岐阜・愛知の16県の沿線住民が、リニア沿線住民ネットワークを作って今回の訴訟を立ち上げた。
 これまでリニア中央新幹線に対する疑問点の声を上げる人々の声は殆ど報道されなかったため、リニア中央新幹線計画に反対する沿線住民は大変苦労した。この中で、各地の沿線住民のネットワークが今回の訴訟を立ち上げるまでに団結力を強めることが出来た。原告を募集し、原告以外に訴訟に資金を援助するサポーターも募集し、原告数を上回る人数で訴訟を支援している。
 しかし、長大な286キロメートルもの沿線の住民を結集し続けることは大変である。今後裁判を通じて、不利な情報を隠しているJR東海から、環境に影響を与える様々な情報を引き出し、それを運動体に返しながら各地での環境破壊の問題点を明らかにする戦いが必要である。そのことを通じて沿線地域の発展に役立つという幻想を打破し、リニア新幹線に反対する地域住民の多数派を形成することでリニア中央新幹線計画の白紙化を実現することが目標である。